小児がんとAYA世代のがんに関する要望書
国のがん対策は、
「がん対策推進基本計画（5年を1期）」に沿って実施されています。
現在は第3期が実施されていて、
2020年に行われた中間評価を踏まえて
第4期に向け計画を策定中です。
これに対し、
公益財団法人「がんの子どもを守る会」が呼びかけ設立した
「がん経験者と家族で作るワーキンググループ」が
小児がんとAYA世代（15歳～30代）の
がんに関する要望書を提出した、と
7/6の東京新聞紙面にて記されていました。
この要望書は患者と家族にアンケートを実施した結果から
次期のがん対策推進計画に盛り込む内容をまとめたものだそうです。
がんの子どもを守る会とは
「がんの子どもを守る会」はとても歴史のある団体で、
その趣旨を、がんの子どもを守る会ホームページより抜粋します。
「1968年10月に小児がんで子どもを亡くした親たちによって、小児がんが治る病気になってほしい、また小児がんの子どもを持つ親を支援しようという趣旨のもと設立され、子どもの難病である小児がんに関する知識の普及、相談、調査・研究、支援、宿泊施設の運営、その他の事業を行い、社会福祉及び国民保健の向上に寄与することを目的としています」
全国に21もの支部があり、浅草橋にある本部には
院内学級教員の頃に研修で訪問したことがあります。
こちらには
遠方から入院する患者家族の滞在施設
が併設されています。
守る会は、がん患者とその家族を取り巻く課題に多角的に取り組んでいる
当事者と家族にとってなくてはならない存在となっています。
医療実態と人権
この要望書作成にあたり実施したアンケート結果によれば
医療技術の進歩で生存率が向上した一方で
がんサバイバー（がん経験者）と家族に
支援が行き渡っていない実態が浮き彫りになったといいます。
内容の更新はもちろんのこと、その前にまず
日進月歩の医療実態に対して
基本計画が5年に１度の更新ではのんびりすぎではないか、
と感じました。
国はもっと実態に合わせながらスピーディな見直しをする必要があるのではないでしょうか。
憲法で保障されている基本的人権にかかわる問題です。
社会権・・・・豊かに生きるための権利
のなかに、人間らしく生活できる権利として生存権があり、
国は，社会保障の増進に努めなければならず、
全ての国民は健康で文化的な生活を送る権利を有する（憲法25条）とあります。
命はもちろん、
長期入院しながらの生活や成長、学業、
社会復帰、自立の問題
親にとっては付き添いによる二重生活、
経済的な負担、
そして精神的サポート、
など、
待った無しの課題ばかりです。
「いま」「ここ」の療養環境改善が鍵
アンケートによれば
薬剤や治療機器の開発・治験の支援、
晩期合併症などへのフォローアップなど、
医療面への期待が大きく、それに続き、
病院内学級の開設や特別支援学校高等部の設置、
ICT教育の推進、
復学支援など教育面への要望、
そして
入院中の療養環境の整備も教育面と合わせて
要望が多かったという結果が書かれていました。
前々回のブログにて綴っていますが
患者にとっての「いま」「ここ」の権利が十分に満たされることは
すなわち、上に記した待った無しの課題への解決に
大きく繋がるのではないかと、
引き続き、
療養環境の改善を訴えていきたいと思っています。
そして、医療技術の早い進歩に合わせ
「がん対策推進基本計画」の現5年更新を
まずは3年など短縮することも。
療養環境の改善についてはこれまでの関連ブログもお読みください↓。
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