〜点字本と点字絵本でお話会〜

朗読家、川島昭恵さんの活動をアシスト。

昭恵さんは幼い頃に感染症が原因で視力を失ったアーティストです。

最初にアシストした時の感動を

リリカルなエッセー仕立てにしています。

→2017/8/19投稿「~美しい心~

活動に行くときは中間地点の駅改札で待ち合わせます。

駅までは白杖を頼りにバスに乗ってくるのです。

「平気平気。いつも乗ってるから」

「渋谷から乗るときは障害者の支援員と言えば半額になるから忘れないで運転手さんに言おうね」

とひたすら明るい。

待ち合わせしている相手に会うまでは不安だろうな。

前の日にメールで再度場所と時間を確認するけど、

それでも私だったら不安で仕方ないだろう。

いたいた、改札の内側で待ってくれている。

「昭恵さん!」

そう呼ぶと

ふわっと安心したような明るい表情に変わって嬉しくなります。

そこからは

私の右腕を掴み、

世間話に花が咲くのがいつものパターン。

先日の朗読ライブでの様子。

頑固なお父さんに手を焼く日々のこと。

「そういえばこの間新聞の取材を受けてね」

生き生き楽しそうに話す昭恵さんといると

心がいつも綺麗になる気がするのはなぜでしょう。

さて活動が始まります。

「私ね、目が見えないんだ。私は字を読むのではなく点字を読むの。

点字って知ってる?」

そう言いながら点字本のブツブツを触ってもらいます。

朗読が始まると

子どももお母さんも

それを指でたどる姿に感心しながらストーリーの中に入っていきます。

言葉の出ない子どもにも、ゆったりと話しかけながら何かしらの反応を待ちます。

空気の動きを感じとると、

「めくるね」と優しく声かけしてページをめくります。

声のトーンやスピードは空気の動きを感じながら

変化をつけていきます。

そんな昭恵さんの活動報告書に寄せてくれた感想を紹介します。

ベッドサイドを巡り、最初は二十歳の男の子に点字で

「少年と子だぬき」を聞いてもらいました。

彼はほとんど目を閉じていたようですが、物語の中で子だぬきがしゃべるところ

や、歌のとこなど、目を空けて聞いてくれてたようです。

言葉は言わなくても、心で感じてくれているのを感じました。

それから

「こんとあき」

「のんたん」

 

「しろくまちゃんのホットケーキ」

「グリとグラ」

「大きなかぶ」

「ととけっこう ヨガあけた」等を、

ベッドサイドで聞いてもらいました。

どの子も声はあまり出しては貰えませんでしたが、松本さんが

「絵に手を延ばしていたよ」とか、

「絵を見てるよ」とか

「昭恵さんの顔を見てるよ」

とか教えてくれて、

そういうのを聞くと、私はとても嬉しくなりました。

絵本を読みながら話しかけると、

答えは聞こえなくても、

頷いていてくれるように感じて、

今の穏やかな温かい時間を一緒に過ごせることが

とても大切な時間に思えます。

点字にも興味を持ってくださったお母さんがいらして、

とても嬉しかったです。

困ったことは、

自分がどっちを向いて話すといいのか、

絵本をどう持ったらちゃんと見てもらえるのか、

それは毎回いつも分かりません。

今日は一緒の松本さんが

さり気なく修正してくださったり、

教えてくださったので、とても有難かったです。

私にはそういうサポートがいつも必要なのです。

私とご一緒してくださる方には

是非ともその点をよろしくお願いいたします。

昭恵さんの読む顔をじいっと見つめてその表情から目を話さない子どもたち。

真っ白い点字本を読む昭恵さんを

不思議そうに

そして

すごいなあ

という風に。

見えなくても話せなくても

そこには豊かな対話が確かに存在しているのです。

昭恵さんをアシストするときは

いつもと違った感動が必ずあります。

美しい心1

美しい心2