〜ニュースレターで年末のご挨拶〜

ブログを始めて半年が経ちました。

書き始めると日ごろ感じていることが整理でき、ほぼ毎日綴ることができました。

たくさんの方が読んでくださることが一番の励みです。

感謝を込めて・・、最新のSHJニュースレターを全ページ公開しながら1年を締めくくります。

3月、6月、9月、12月に発行しているニュースレター。会員、寄付者、支援団体、スポンサー、病院や施設など1回400部ほど、英語版は20部ほど発送しています。全ページをHPにて紹介しています。

毎年12月号では、Season’s Greetingsと題して、年末のご挨拶と新年に向け感謝を込めて引き続きの支援をお願いしています。

内容は、3ヶ月間の活動報告リスト、子どもたちからの感想、病院など活動場所からのコメント、アーティストやアシスタント、事務局などスタッフやボランティアからのコメント、事業報告、団体概要アップデートなど紹介、報告したいことが盛りだくさん。活動風景の写真や子どもたちの作品をもっと載せたいのに隙間すらないありさま。次号あたりからそろそろページ数を増やさなくてはならなくなりそうです。昨年度(2016/10/1~2017/9/30)は1年で399回の活動がありました。毎日どこかでスマイリング!どころか、1日に数箇所で!という日もあるほど。

医療現場には容易にご案内できない分、SHJの豊富で質の高いアートプログラムとそのボリュームを感じてください!

これからも初心を忘れずに地道に取り組んで参ります!

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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〜重複障害教育のこれから〜

重複障害研究者(1927~2000)中島昭美先生の「障害と人間存在の本質」*というあるシンポジウムを通した手記を読みました。

その中で、日本盲ろう者を育てる会第4回全国大会で発表した筑波大学附属盲学校高等部3年の盲ろう者のFくんの話を聞いて、しみじみと教えられた、というくだりがあり、夢中で読んだのです。

そうだ、このFくんとはあの尊敬する福島智さん*(日本のバリアフリー研究者。東京大学教授)だとすぐにわかりました。

4歳の時に病気のために片目を摘出し、9歳で失明、14歳で片耳が失聴、17歳でもう片方の耳も聞こえなくなり、直後に完全に盲ろうになった福島さん。高校生の時にすでにこんなに素晴らしい感性を持っていた、と重度・重複障害教育の大家である中島先生を唸らせていたのです。

福島さんは、

盲ろうになって失ったものは数知れずあるが、得たものも少なくないと話しています。

そのうちの1つは、人の心を肌で感じられるようになったこと。

外見的な特徴や喋り方などに左右されることがないので純粋に相手の言いたいことが伝わってくる・・。

お母様の考案した指点字で相手の言うことを通訳してもらいながらコミュニケーションをとる福島さんですが、指点字を通して人間の「手」というものがその人の性質を表すものだということがわかったと。

参考:生井 久美子著「ゆびさきの宇宙―福島智・盲ろうを生きて」

また、これから大学に行くことの本質的な動機は、健常者の中で自分を見つめ直すことにあると。

努力を重ねて外見的に健常者と同じような生活ができたとしても意味がない。

むしろ自分の障がいを通して、またそれによって生まれてくる言い知れぬ心の痛みを通して、物事をどのように捉えていくのか、が大事といいます。

目が見えない、耳が聞こえない盲ろう者は、うわべにとらわれがちな社会の価値判断の基準に縛られにくいことをも意味している。感性を磨いて物事の本質的価値基準を持って生きていくとき、初めて障がい者が真の意味で社会の一員になれる。

障がい者でもできる、ではなくて障がい者だからできる、という存在であることを、自分自身に、社会に問いかけ続けたい、と福島さん。

障がいを受けることはその人にとって不幸で不便で情けないことと思われがちだが、それによって得るもの、深まるもの、増すものを考えないのはあまりにも一方的ではないか、と中島先生は言います。障がいがあろうとなかろうと、その人自身が地道に生き、充実した生を全うすることが大切。労働で得たお金で食事をし、満足感を味わうより、存在そのものの中にある真実をよりよく見通すことによって、生の充実感を味わう方が大切だ、と。

今日の障害者教育が、障がいの持つ本当の意味について十分に考えているだろうか。健常者を基準に、健常者に近づこう、障がいを克服しようとすることばかりに重点の置かれる教育に意味があるのか、と。

人々の意識、無意識に対し、バッサリと問題提起しています。

いかに固定観念の中で狭義にとらわれて私たちは生きているのか、思い知らされます。

30年以上前の中島先生の問いかけに現在の重複障害教育が応えられているだろうか。障がい者でもできるではなく、重い重複した障がいを受けたからこそできる、という価値基準をこれからの重複障害教育が深めていくことを願います。

中島昭美「障害と人間存在の本質」 ningensonzai.pdf

中島昭美・人と業績 – 重複障害教育研究所

おすすめ図書

福島智著「ぼくの命は言葉とともにある (9歳で失明、18歳で聴力も失ったぼくが東大教授となり、考えてきたこと)」

幼保一元化、いかがですか?

共働き世帯の増加で幼稚園のニーズが減っている反面、保育園が足りない!

そんな非合理的状況を解決するのが「認定こども園」

しかし、2006年の法制化から当初の目標数には程遠いその普及率。

そもそも「認定こども園」とは、

「保護者が働いている・いないにかかわらず利用可能。

集団活動・異年齢交流に大切な子ども集団を保ち、すこやかな育ちを支援。

待機児童を解消するため、既存の幼稚園などを活用。

充実した地域子育て支援事業で、子育て家庭を支援」

と内閣府のホームページにあります。  

内閣府 認定こども園

「幼稚園と保育園が一緒になった施設で就学前の教育と保育の両方の機能を兼ね備えている施設」

とまとめられると思います。

メリットとして、

◉幼稚園に通わせている保護者にとっては、幼児教育はそのままに、保育時間が長くなる

◉保育園に通わせている保護者にとっては、保育時間は変わらず仕事もできるし幼児教育もある

これならもっともっとニーズが高まり、増えていいはずです。

しかし施設側にとっては、

■「幼稚園教諭」と「保育士」の業務の違い

■保育料の計上や予算が、幼稚園部分と保育園部分で違う

というデメリットがあるといいます。

こども園への移行が進まないのは、幼稚園側と保育園側の管轄が分かれているまま、この制度ができたことに問題がありそうです。

一方ニュージーランドではすでに1980年代に幼児教育施設と保育施設を所管する省庁を一元化した、と日本総研の池本美香研究員が新聞に寄稿していたのを見て調べてみました。

1986年に、幼稚園・プレイセンターに加え、保育所・家庭的保育サービスも教育省の管轄下に置かれることになり、予算や保育者の資格、カリキュラム、設置基準などが一元化されました。20年かけて多様な施設や運営主体がその特徴や機能を保てる制度が整ったことがわかりました。

参考:奈良教育大学紀要 第59巻 第1号 ニュージーランドにおける乳幼児保育制度

ニュージーランドの保育制度のユニークさは、1926年に世界初の児童手当制度が始まったというところからもうかがえます。

日本でも2011年の鳩山政権下で「幼保の一体化」が検討されたことがあったそうですから、再び議論のテーブルに載せて欲しいものです。

2つのシステムを1つにまとめるとなると現場の調整も多く、一筋縄ではいかないかもしれません。ニュージーランドの例を参考に、国が現場の声を聞く姿勢こそが一番求められています。

待機児童解消のためにも、幼保一元化、いかがですか?

 

クリスマスの余韻は子どもたちからのメッセージ

年の瀬、この1年間でいただいた感想から一部を紹介します!

子どもたちの感想はいつもワクワクドキドキ。

💮すごく楽しみにしていて、本当は安静にしていなければならいのに、看護士さんに無理を言って見に行きました。 Wさん

💮きのうはたのしかったです。おどりがとくに、たのしかったです。おんがくがたのしかったです。 Sくん

💮点字について教えていただきありがとうございます。私はと中参加となってしまったけれど、点字について気になっていたのでとても楽しむことができました。点字をうっているとき、きちょうな体けんをすることができたな、と思いました。うつときには、もっと時間がかかると思ったけれど、そんなに時間はかからないさぎょうだと思いました。 Aさん

💮たのしかった。またきてね。 Kくん

💮一番おもしろかったのは、口からトランプが出てくるところです。でもだいたいたねはわかりました。小5 Yくん

お母様からの感想はいつも励みになります。

💮初めてのジャグリングでした。どういう反応をするか予想がつきませんでしたが、お兄さんがボールを出した途端ニコニコ。ジャグリングが始まると、お尻をぴょんぴょんさせ、楽しさ爆発でした。自我が芽生えてからの入院は退屈で、かなりイライラも溜まっていたようでしたが、素敵なリフレッシュをさせてもらいました。親子共々楽しめました。ありがとうございました! Eくんのお母様

💮紙を折ったり切ったり、というシンプルな作業でかわいいイラストと写真の紙で遊べるので、言葉が出ない、指先の力があまりない娘でも楽しく過ごせる内容でした。とくに六角返しのパズル、にわとり→たまご→ヒヨコがお気に入りです。パッと絵が変わるのが、いないいないばあ、と同じようで、笑いながら楽しんでいました。Hさんのお母様

💮今日はとても素敵なマジックをご披露いただきましてありがとうございます。傘が飛び上がって見えるようなパントマイムは面白かったです。息子よりも母の方が熱中してしまいましたが、口からトランプが出てくるマジックを見た息子が不思議そうな顔をしていたもが印象的でした。間近で見たにもかかわらず全くタネがわからなかったトランプマジックには驚きました。 Tくんお母様

保育士さんからの感想は時に辛口。それが大事。

💮今年2回目の紙芝居でしたが、今回も参加した人たち全員が楽しんでいました。特に1人でお泊まり(入院)している子たちは、終わった後も、「楽しかったね、また見たいね」「いい歌だね」と話し、とても楽しんでいました。また、参加していたお母さんたちもゆっくりした時間を過ごすことができたと思います。ありがとうございました。  お願い・・お話のところで「死んじゃった」などの表現があるところが気になりました。「死」を連想させる表現は避けてください。

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死生に関わることは文学の世界では避けて通れないもの、それによってグッと内容が迫ってきて感動を呼ぶものなどがあります。表現者としての立場としては難しいところでしょうが、場をわきまえた文学、という観点ではアーティストにとってはジレンマというところでしょうか。デリケートな部分、大切に寄り添っていきます。保育士さん、ご指摘ありがとうございました。

来年に向けてさらに楽しみに、そして励みになるメッセージ、大事にします。

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〜子どもたちがサンタさん!〜

🌲メリークリスマス!

子どもたちから、病院からクリスマスカードが届いたよ!

🎄小さな手でぺったん! サンタさんのヒゲに見立てた愉快な手がたのモチーフ

🎄ポンポンポン! 小さなサンタやトナカイをたくさんスタンプしたリース

🎄あれあれあれ! 雪だるまもびっくりしているそれはそれは立派なツリー

今年も子どもたちの創造カや感性から元気をいっぱいもらった一年でした。

たくさん気づかせてくれて、たくさん教えてくれた子どもたちは、ものごとの本質を示してくれる一番の先生。

子どもを観察してみてください。そのまっすぐな眼差しから目をそらさずに、教えてもらってください。

ことばでうまく表現できない子どもたちは、ことば以上のメッセージを全身で発信しています。

子どもの動きから大切なものに気づいて感じてください。

誰でも時間が経てば大人。

年季が入ってしまった感性に、魔法のように少しずつ輝きを呼び戻してくれる子どもたち。寄り添えば寄り添うほど。

そんな最高のプレゼントをしてくれる、子どもたちこそサンタクロース!

毎日がクリスマス!