〜今年の一番乗り!〜

新年、茨城地区が始動します。

まず一つ目の病院は茨城県立医療大学付属病院。

リハビリテーション病院として、小児科は主に脳性マヒ、外傷後遺症、染色体異常などのリハビリテーションを目的にしています。

正面玄関入るとまず目に止まるのは、大きな明るい壁画。

医療を受ける前の元気へのウォーミングアップと言っていいほどのインパクトです。

この病院はいたるところにアートを施し、素晴らしい油絵の数々が白い壁を飾っています。

打ち合わせには、院長先生、看護局長さんはじめ、病棟のスタッフが集まってくださいました。

 素晴らしい!こんな活動してくれたら患者さん喜びますよ。

 双方向にやりとりしながら、情報交換していきましょう!

と院長先生。

双方向に・・という言葉をとても嬉しく感じました。

歓迎はしてくれても、外部から入るための厳しい審査をクリアしてから・・、という開始時の空気が緊張感を呼ぶもの。

それでも、活動をさせていただくのだからそれでいい、それで当然。徐々に信頼関係を築いていければ・・と考えていました。

しかし「子どもたちのために一緒に取り組んでいきましょう」

というメッセージから、

病院とSHJががっちりスクラム組めたという手応え、

そして期待されている心地よさに胸がいっぱいになりました。

大雪もなんのその、温かい気持ちで帰路に着きました。

途中、いつも目にする渋谷駅の岡本太郎の壁画がさらに元気をくれました。

積もった雪をギュッギュッと踏みながら童心に戻ったような爽やかな気分で帰宅しました。

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~事務所の夢~

そろそろ今の事務所が手狭になってきた。

事務所と言っても自宅のリビングルーム奥約6畳ほどのスペース。

容赦なく届く郵便物や印刷の上がった団体パンフやニュースレター、封筒やちらしなどの宅急便。7年間は保存しなくてはならない事業報告書や帳簿など、閲覧用書類の数々はそろそろキャビネットからはみ出している。かといって収納庫を買い足しても置くところなどない。

さらに超がつくくらいローカルな私鉄沿線の駅から徒歩約7分。経理事務の担当者は自宅から1時間半かけてきてくれ、

やっと慣れました~

と言ってはくれるものの、事務所に着くと既に疲労感を漂わせている。

事情を察しささっと、

「まずは一服」などと言って

ちょこっとつまめるお菓子とコーヒーを。

最近では団体の話を聞かせて欲しいという学生さんや他のNPOのスタッフ、それから取材、会員管理アプリ導入のための打ち合わせ・・etc.

いろんな人がグーグルマップを駆使してはるばるやってきてくれる。

事務局ミーティングや理事会・総会は、飯田橋にある東京ボランティア・市民活動センターのロビーを借りている。

ここは任意団体としてスタートする前からお世話になり、何かと相談に乗ってもらっている心の支えでありオアシスだ。

先日、事務局ミーティング終了後、新入会アーティストのボランティア保険加入のために受付に立ち寄った。

用件が済んでも、何だか居心地がよくてぐずぐずと悩みを相談したりする。

この日もいつものようにモジモジしていると、頼りの相談員さんがささっと来てくれ話し相手になってくれた。

NPOって事務所をどうしてるのかなあ・・・

・・・ほとんどの場合、代表の自宅が事務所ですね

やはりそうか。

たいていのNPOはお金に余裕がないのだ。

あったとしても事業費に当て、なるべく管理費に回したくなどない。

そこでNPOの運営に欠かせないのが助成金。

しかし助成金のほとんどが事務所経費や家賃などは対象外。

どうしたら事務所を持てるのか・・。

宝くじなど絶対に当たらないから買わない。

虚しい夢を見るのは無駄な気がして・・・。

そんな私も、明確な目的のために年末ジャンボに夢を託し、夫に買わせた。

結果は言うまでもない。

私が買えばよかった。

さて現実に戻ろう。

しっかりと運営をしていくために今年は何ができるか・・。

〜久々の東大病院〜

年があけて新棟へお引越しした小児病棟。

活動の様子が見たくて、そして新年のご挨拶もしたくて

頼れるアシスタントにくっついて久しぶりにお邪魔しました。

今まで以上に広々としたプレイルームは窓いっぱいの開放感。

大人気のもみちゃんクレイアートを今年もたくさんの子どもたちが待っていてくれました。

保育士さんも一緒に楽しんでくれるからとても気持ち良く活動ができる東大病院小児病棟。

戌年にちなんで今回のお題は「犬」。

もみちゃん、幾つか見本を作ってきてくれました。

白い犬?

茶色い犬?

白と茶を混ぜてココア色の犬?

耳の色は?

とまずは色を決めて・・。

次に、もみちゃんの手の動きを見ながら粘土のこね方を覚えます。

ふわふわの粘土をこねこねするのが気持ちいい~。

形にしてシワを伸ばす方法も覚えて。

どんな形にもなるから創造力が爆発します。

もう一つ、また一つ、と作りたくなります。

どれ一つ同じものはない、これがアートのいいところ。

個性が光るなあ。ワクワクします。

ぐずっていた子も粘土ともみちゃんの柔らかさに、

ちょっとだけ笑顔が戻ったみたいです。

クレイクラフトアーティスト Tomomi Fujie Facebook

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 SHJヒストリー30 ~3年前の3行日記から~

活動を始めて2年後の2014年2月に叶った念願のウォールペイントのモチーフは、子どもたちが大好きな動物。

今でも何とはなしに・・気付くと触ってる・・そんな子どもを見かけます。

触ってる? そう、見るだけじゃなく触れるアートです。

毛並みや鼻の頭のツルツルした感じをペンキと筆で立体的に描き、見ても触っても楽しめる工夫がされています。さすがアーティスト!

その頃は病院ごとの担当アシスタントはおらず、松本が全ての活動をアシストしていました。

記録はアシストごとの3行日記。

事務所を整理していたら出てきた、出てきた手書きのメモ。

いくつか書き出します。

マラカスやシェーカー、太鼓などを子どもたちに配り、一斉に大きな音を出して演奏を楽しんだ。叩く、振る、それだけで笑顔になり、コミュニケーションが生まれたようだ。

好きな歌を競うようにリクエストして、めいっぱい大きな声を出して合唱する場面は大にぎわい。

版画ワークは木槌で力を込めて叩いて版を作る。ものすごい音だけど子どもたちは夢中。医療者の邪魔になっていないか気になったが、特に気にせず仕事に没頭している。ほっとした。

廃材を使ったクラフト。日常よく見る素材、知らなかったその不思議さにワクワクしている様子。

手作りワークショプ。いいの?というような目で保育士さんを見る。返ってきた笑顔にホッとして、思いっきり手を汚して創造力を爆発させている。

・・・

まだまだエピソードはありますが、次回綴ることにして。

これらはすべて病棟内プレイルームで行なう活動で、医療スタッフの理解なしでは実施不可能です。それどころか、こどもたちが楽しんでいるかぎり、子どもたちの様子をうれしそうに見守ってくれている。治療や処置をなるべく後回しにして、楽しい時間を優先する医療者の方々には感謝するばかりです。そこにはなんとなしに一体感や共感が存在しているようです。これまで積み重ねてきたことが、病院との信頼関係に繋がったことを実感します。気兼ねなく発散できる雰囲気は、閉鎖的な空間で生活するこどもたちにとって、思いっきり音を出し、創造力を駆り立て夢中になれる、貴重な時間です。

 「子どもたちとアーティストたちはすっかり打ち解けて、一緒にわいわい賑やか。その様子を温かく見守る医療スタッフがいる。騒音も待つことも平気。時には医師や看護師さんたちも仕事の手を休めて活動に参加」

これがいつもの風景となり、今に続いています。

みんなで作り出すアートの時間が各病院でかけがえのないものになりました。

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〜その先の支援〜

近年の医療の進歩には目をみはるものがあります。

誕生後、保育器の中で一生懸命にいのちをつなげ、頑張る赤ちゃんがいます。

その頑張りに医療が寄り添い、敬い、一緒に試練を乗り越える。

現場はかけがえのない命への畏敬の念が満ち溢れているのだろうと思います。

数週間、数ヶ月に及ぶ入院生活を経てお母さんの腕の中へ。

その後、お家には当分帰れずに一般病棟で過ごさなくてはならない子どももいます。

急性期を過ぎ、重い障がいを持った子は医療的ケア(痰の吸引や中心栄養静脈、人工呼吸器など)が手放せない場合が多く、退院後は自宅での家族によるケア、訪問医療・看護が始まります。

家族は24時間つきっきりのケアとなり、外出も十分な睡眠も確保できません。

そんな社会の変化に合わせ、子どもと家族を支える支援団体や子どもホスピスが各地で立ち上がっています。

ホスピスと聞けば、終末期を豊かに過ごす場所、という定義が一般的ですが、

実は重症心身障がい児や医療的ケアを手放せない子どもが一定期間宿泊し、その間家族が十分な休息を取り気分転換を図るという趣旨もあります。

宿泊中はボランティアなどにより様々なアトラクションが工夫され、子ども同士の交流もあるようです。

日頃の家族の苦労を思えば、利用者がホッとする時間を持てるようになり、その存在は今後も広がっていってほしいと願います。

医ケア児の存在認知も進み、重い障がいの子どもをめぐる社会は随分と抱擁力を増してきたように思います。

と、ここでふと思います。

その先の支援は?

「子どもたち自身が生きる喜びを得ること」に対してはどれほど注視されているのかな、と。

社会の取り組みが、子どもたちへの哀れみや同情に向かうのは誤りです。

彼らだからこその自分の世界の広げ方があり、どう寄り添えばそれが実現できるか模索し工夫していくのが正解と考えます。

生きることは学ぶこと

自ら自分の世界を広げ学び発信する子どもの喜び。

そしてその様子に、ご家族は我が子の可能性を知り誇りを持ち、「この子を育てていてよかった」と豊かな気持ちになることでしょう。

子ども一人ひとりの自尊心や人格に寄り添っていくこと。

これこそが障がいの重い子どもたちへの支援ではないでしょうか。

スマイリングは「その先の支援」を実践していきます。