つれづれにっき〜スマイリングな日々〜

開拓だましい~安曇野大王わさび田農場~

「父の声は開拓の鍬の響き

      母の声は湧き出す清水の音」

〜開拓の記念碑〜

清らかな水流の景色が大好きで、訪れる先々で湧水池や池、小川、渓流を求めて車を走らせます。月に1度は向かう安曇野も、その美しい水がシンボルです。まず浮かぶのは綺麗な水で栽培されるわさび。安曇野の特産物でわさび田湧水群が有名です。

北アルプスの雪解け水が安曇野の扇状地をしみ込むように潤していることで、わさびやニジマスが育ちます。

そんな湧水群の中にひときわ大きなわさび農場、「大王わさび田農場」があります。

この地、もともとは雑草の生い茂る砂利ばかりの荒地だったというから驚きます。目の前はあたり一面、整然とわさびが植えられ管理された緑深く美しい農園が広がっているのですから。

1917年、開拓者 深澤勇市(初代)を中心として開墾が始まり、延べ40万人の農家の人々が45年にわたる歳月をかけ、血の滲むような努力により開墾されました。

開拓者は、アルプスの水が潤す安曇野の土地の形状に目をつけました。

土地の誘致の際には、5町村にまたがる所有者との交渉に2年の歳月をかけたといいます。

その歴史は開墾から100年を記念して昨年建てられた100年記念館に、かつての土地の様子や開墾者たちの写真とともに説明されています。

その開拓魂にすっかり心を打たれました。

開拓者たちの壮大な行動力と心意気が生んだ雄大なわさび田農場。

現在農場を守る人々は、

「わさびを大切に育てることは、文明による自然破壊から清流を守ることでもある」

として、先人への感謝とわさび田を守っていこうという誠意を込めて、大切に育て農場を運営しています。

文明への静かな抵抗。

訪れる者に問題提起することも忘れない、心にじわりと訴えかける社会活動という側面も感じることができました。

自然との共生をうたい、後世へ受け継ごうという深い愛に溢れるスポットです。

黒澤明監督の映画「夢」のロケ地になった水車小屋
わさび丼、わさびカレー、お子様セットまで!? わさびづくしのレストラン

わさび田を通して、その開拓の歴史や大自然からの恩恵を伝え、自然との共生の大切さを呼びかける。

そんな中に、ロケ地の紹介やわさびづくしレストランやわさびづくし土産屋など遊び心ものぞかせるところ、なんとも訪問者の心をくすぐるはからいです。

多くの観光客で賑わう所以がここにもあるのかもしれません。