在宅学習支援 学びサポート〜感覚教具”メダルはめ”〜 

数量を視覚的に捉えることが困難な場合、

繰り返し決まった数の感覚教具”メダルはめ”をするうち、

見てすぐにその数を言えるようになる場合があります。

スマイリングホスピタルジャパン

オリジナルユニバーサルさんすうセットの効果絶大です。

参考→2017/12/12投稿〜ユニバーサルさんすうセット

最初は3個直線に並んだはめ板の数を

指で数えてから3と答えていた生徒さんが、

このSHJオリジナル UDさんすうセットで様々な数のメダルはめに取り組む中、

途中で見ただけで3個と答えられる場面がありました。

感覚的な定着のために

引き続き根気よく取り組んでいます。

同じように

最初は指で数えてメダルはめの穴の数を答えていた他の生徒さんも

メダルをはめる課題を週1回3ヶ月ほど行っていたら

穴の数を数えることなく、

パッと見て穴の数が言えるようになりました。

さらにこの学習が文字の習得にも波及する効果があることがわかりました。

この生徒は単語をひと文字ひと文字の拾い読み、

つまり「ば・な・な」のように切り離して読んでいたのが

メダルはめを行い、

ものの数を指で数えずに言えるようになるに従い

文字も単語ごとにまとめて読めるようになりました。

*****

数を、紙や画面上で学習することより

・手を使い空間的なイメージを持つこと

・もので感覚をつかみ実感すること

が本当の学習につながることを教えてくれたエピソードです。

メダルはめは一見

複雑なパズルに挑戦する前段階のシンプルなかたはめ

としか見えないかもしれません。

私自身、25年も前になりますが

モンテッソーリ教育に出会うまではそう思っていました。

しかし

数などの概念を身につける大切な時期に

この教具は欠かせないものです。

それは数のしくみに限ったことではありません。

おのずとものごとの基本やなりたちを体得することにも繋がるのです。

言葉を読むことへの波及効果もその例と言えます。

周りの大人は

より早くより難しいことができるように

もっと高度なものに

と子どもを駆り立てます。

しかし焦ることなく

基本を身につける体験をじっくり味合わせたいものです。

学びサポートの生徒たちは

まさにこの学習法で

数量や文字を楽しく学んでいます。

学びサポート「目と手の協応/数量/文字」の学習より

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モンテッソーリと「環境設定」🧱

人間が自然の法則に従って成長していくのが乳幼児期。

しかし子どもを取り巻く環境は

都市化、機械化、さらにIT化によって

どんどん人工的になりました。

ですから子どもたちは

本来経験しなければならない

必要不可欠の経験さえできない環境に置かれています。

時間を戻すことはできないし

当然機械化やIT化による恩恵は計り知れないものです。

そんな時代にあって

人間の子どもが乳幼児期に経験しなければならないことは

意図的に経験させてやらなければならない。

その方法を生理学的根拠に基づいて教えてくれているのが

モンテッソーリ教育です。

こどもの生命を観察することから始め

子どもがよりよく生きるための支え

と言っていい教育法です。

例えば

✔︎ゲーム機の進化などにより

室内で電子画面を見、電子音を聞くばかりの時間

✔︎核家族化により小さい子の面倒を見る

おばあちゃんおじいちゃんの知恵をもらったり

手伝ったりと言った人間的交流の減少

✔︎利便性の発達によりボタン一つで操作簡単になった故

蛇口さえひねる事ができなくなった

✔︎遊びが変わり指先で細かな作業をしなくなったとか

✔︎外遊びが減り重たいものを運ぶための知恵や

バランスをとって歩くことなど必要がなくなってきている

このような環境のもと

生涯にわたる心身の健康の土台になる

基本が経験ができにくくなった今、

今から100年ほど前に

障害児教育から発した

モンテッソーリの教育方法は

まさに現代にこそ必要なのです。

何かのやり方を親や周りの大人が教える時

「子どもがやりやすい環境を整えること」

「ゆっくり見せること(提示)」

これがまずモンテッソーリ教育の基本です。

自分でするんだ!

という気持ちを大切に

最大限活かせすための環境設定。

そして

その気持ちに最大限応えるために

「してみせること」が有効なのです。

決して大人のペースでなく。

まるで自然の法則を人工的に作っているようですが

それが現代の子どもを取り巻く環境においては

必要不可欠ということです。

それは健常と呼ばれる子も

障がい児と呼ばれる子も同じです。

自分のベストを尽くして

「自分一人でできるようになった!!」

という至上の喜びを通し

子どもたちには

生きる喜びをたくさんもってほしいものです。

🧱 🧱 🧱 🧱 🧱

スマイリングホスピタルジャパンの

重心児在宅学びサポートでは

モンテッソーリ教育の専門家が学習支援ボランティアに加わりました。

例えば、感覚により数の概念や文字を学ぶという

モンテッソーリの理念をかたちにした

感覚教具は

特別支援教育が専門の学習支援ボランティア手作りの

S HJオリジナルユニバーサルさんすうセット。

感覚教具は先に述べた

「子どもがやりやすい環境」作りに当てはまります。

そして

「ゆっくり見せること」

により概念やしくみを集中して体得

できるようにしています。

大好きなモンテッソーリ教育の理念

「子どもがやりたい!と思う環境設定」と

「子供のペースで・・」は、

スマイリングホスピタルジャパンの理念にぴしゃりと重なります。

それは

在宅障がい児へのアプローチ

そして

プロがファシリテーターに徹する小児病棟での芸術活動も然りです。

公益財団法人モンテッソーリ教育綜合研究所

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教室はリビングルーム!『イエナプラン教育』

教室正面の黒板に向かって机を並べる

「一斉授業」のスタイルではない。

子供は机を向かい合わせて島をつくり、

一人ひとりが自分の課題に取り組んでいる。

これは

2019年4月、長野県佐久穂町の

大日向小学校が

日本で初めて取り入れた『イエナプラン教育』

という教育法の一場面。

まるで教室はリビングルーム。

図書室だって

机と椅子があって・・

というスタイルに加え

クッションやソファが置かれていて

おもいおもいの格好で読書ができるという。

姿勢を正しく!

本と目の間は30cm!

なんて先生の言葉が上から飛んでくることはない。

スローガンは、

「子供の主体性の尊重、異なる他者の受容、学校共同体」

目指すのは、

「対話を通して共に生きることを学ぶ学校」

✏️ 📕 ✏️ 📗 ✏️ 📘 ✏️

自立学習が中心。

基本それぞれの状況に応じた課題に個別に取り組み、

グループリーダーが数人集めて教えることもある。

話合いの時間もふんだん。

輪になって、全員がおたがいの顔を見られる状態に座るサークル対話。

話すだけではなく、ひとの発言を終わりまで聞く練習でもある。

全てが双方向のカリキュラムの印象だ。

これによって子どもたちは、

民主主義社会の基本となる対話と合意形成とは何かを学ぶという。

〜子どもたちの自主性が大切にされる学校〜。

これだけ子どもたちに自由を保障している学校では

ナビゲーターとしての

教員の力量が求められると想像する。

それもそのはず

基本のカリキュラムのもと、

各教員の裁量はとても大きい。

✏️ 📕 ✏️ 📗 ✏️ 📘 ✏️

このオランダ発「イエナプラン」は

まさに以前投稿した

「フィンランドの教育」

に趣旨を同じくするところが大きい。

2017/7/12投稿〜フィンランドの教育〜

また、中学校で言えば東京都世田谷区の桜丘中学校でも共通した価値観のもと学校教育が行われている。

→2019/5/9投稿〜正解のない学校〜

これらの基本は全て

愛読書「ティール組織」フレデリック・ラルー著(英治出版)

でも紹介されている

「ティール学校」の考え方に拠る印象だ。

→ 2019/5/13投稿 ティール組織-3-〜学校版〜

長野、広島・・・

日本でもこの教育法が広まりつつある。

この流れが

就学前の教育にも影響が及ぶと確信する。

その例として

日本では幼児教育として存在している

「モンテッソーリ教育」。

主体性を重んじることをはじめとした観点で

イエナプラン教育へはスムーズに移行できそうだ。

モンテッソーリ小学校も増えるかもしれない。

シュタイナー教育への理解も進むだろう。

それによって

フリースクールの立ち位置も明確になり、

その存在意義と価値も

見直されていくような気がする。

こうして教育の選択肢が増えていく・・。

子どもの輝く瞳が増えそうだ。

参考:2019/6/14投稿ブログ〜不登校の子どもを守る!〜にて教育の選択肢を作ることの必要性を「教育機会確保法」を紹介しながら述べました。

学びに導く教具・教材・支援機器

教材と支援機器の研究、製作ほど

特別支援学校の教員にとって欠かせないものはありません

幼児教育法のひとつ

モンテッソーリ教育はあまりにも有名ですが、

もとは障がい児がいかにして学びを深められるか、

モンテッソーリ女史が子どもの動きにヒントを得て開発したものです。

幼児期の体験が

その人の将来に多大な影響を与え

生涯にわたる学びの基礎であるということは、

三つ子の魂百まで

という言葉に現れている通りです。

ですから、社会全体で、

身内他人にかかわらず

幼児期の子どもにもっと愛を

育児中のお母さんやお父さんにもっと寄り添いを

幼児期の教育や保育をもっと大切にと

日頃から思っています

モンテッソーリ女史の発見を見れば

障がい児教育が全ての教育の原点

ということが言えます

モンテッソーリは

主体的に行動し

自立した人に育つようにと

「秩序」

という観点で教材づくりをしました

始まりがあって終わりのある秩序ある教具で

自分で選んで

自分のペースで始めて

自分で試行錯誤して

自分で完成し

自分の納得いくまで繰り返し満足したら

自分で片付ける

この秩序が育むものは

主体性

見通しをもつ力

順序立てる力

失敗から学ぶ力

自立心

誠実さ

そこから

自信や他人への思いやりが育ちます。

そして忘れてならないのは

子どもが飛びつくような

美しいもの

結果のフィードバックがあるもの

です。

障がいのある子どもにとっても

自分から取り掛かりたくなるもの

始まりと結果があるもの

何度でも納得するまで繰り返すこと

フィードバックが明確に感じられるもの

そこから

自信や心の安定が生まれるのだと思います。

ここで忘れてならないのは

見えやすいもの

フィードバックとしてのある程度の重さがあること

です。

思うように身体を動かせない子どもにとっては

対象のものにアクセスしやすいような

手がかりや工夫が必要です。

スイッチ教材やICT機器はとても便利。

ひと言で障がいといっても百人百様ですから

大きさ、重さ、握りやすさ、距離などすべてが

個別の障がいの違いに寄り添ったものでなくてはなりません。

参考:2017/12/12投稿〜ユニバーサル算数セット

特別支援学校の教員の教材研究には

たっぷりの時間がなくてはと

つくづく感じます。

事務仕事や行事対応に追われている現場の職員たち。

時間のなさにストレスを感じている教員も多いのではないでしょうか。

子ども一人ひとりのために!

と情熱を燃やす教員ならなおのこと。

個別対応の教具づくりや

スイッチ教材、ICT機器を一人ひとりに合わせ

いかに活用するか。

考えれば考えるほど時間のなさに

夜しか眠れなくなります。

教員に

十分な教材と支援機器の研究、製作の時間を!

教師がほんらいの仕事に没頭できるような社会を!

参考:SHJ重度障害の子どもへ在宅学習支援「学びサポート」

2017/12/11投稿:医療的ケア児や重い障がいの子にお家で学習サポート

2018/12/3投稿:在宅 ジャズセッション

2018/12/4投稿:ベッドサイド授業の学習環境づくり

2018/1/25投稿:在宅学びサポートでの工夫

2019/2/4投稿:「i+padタッチャーでセッションをリード!

 

〜在宅学びサポートでの工夫〜

ー学びサポート通信ー

在宅学習支援「学びサポート」では、

算数

数量概念

文字学習

美術

音楽

を行なっています。

思うように身体が動かせない重度心身障害の子どもとの学習ですから、

🌀視線入力

🌀スイッチ操作

🌀目と手の協応

という方法で、一対一のちょうどいいペースでコミュニケションを取りながら行います。

時にはお母様にも入っていただいて、本人にとってより適切な方法を見つけていきます。

視線入力とは・・・

今から6~7年前までは大変高価で家庭で使用するには現実的でなかった視線入力装置。

今では重度障害児者の日常のコミュニケーションに活用され、

視線入力をうまく使うとシューティングゲームができたり、

マウスとして使えたり、操作しながらアプリを使って学習もできる優れものです。

この視線入力装置トビーは、SHJ在宅の学習にもはや欠かせなくなっています。

音楽の時間は視線でコードを選んで支援ボランティアの演奏とセッション。

そして子どもたちの大好きなシューティングゲーム「風船割り」は定番。

ランダムに風船が出てくる設定にし、覚醒を促し、

その後一つ一つ風船が出てくる設定でじっくり行うことも可能。

普段からできるように、ご自宅のパソコンのソフトをアップデートすることも学習支援に欠かせないことです。

スイッチ操作とは・・・

主に、ピエゾスイッチというものを使っています。

「ひずみ」や「ゆがみ」を感知し、出力を促すものです。

まぶたや頬などわずかでも動かすことができる身体の部位に貼ります。

意思を伝えたい方のコミュニケーションにとても有効です。

お母様がご本人のまぶたの上に貼り、感度を調整すれば、瞬きをする動きで操作できます。

この作業自体が親子のコミュニケーションに一役買います。

思うように身体を動かせない方にとって、スイッチをいろいろな場面で活用すれば、「伝わらない」というもどかしさやストレスが大幅に軽減でき、世界も広がるでしょう。

目と手の協応とは・・・

モンテッソーリ教育(→2017/7/7投稿「モンテッソーリ教育とは」)の考え方に基づいた、

数の概念や文字の音と形を手の感覚を使って体感しながら学習するものです。

数の棒や、ずっしりと重みのある素材で作ったパズルをはめ込んでいくことで、数の概念を身につけます。

立体コピーでの文字なぞりは、実際に凹凸やザラザラ感を実感しながら形を学びます。学習が進むと声も出てきて手の動きが良くなることも。

まず文字をゆっくり、繰り返しなぞります
支援員の掌に覚えた形を書いてみます

美術は、素材を感じながら自分のペースで行う物作り。

素材とアーティストのファシリテーションが、目と手の協応を促し、創造活動が進みます。

これら目と手の協応教材は学習支援ボランティアの手作り。その子にあった大きさ、見え方に合わせた色にも工夫しています。

障害とひとことで言っても100人百様。

教材作成はどれも時間をかけた地道な作業。

一人一人違うことへの対応をどう広めていくか。

目下の大きな課題です。

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