新学期が始まり、ついこの間まで幼稚園、保育園生だった子どもたちが、ランドセルを背負って、近所の友達と連れ立って登校する姿が見られるようになりました。
園まで送り迎えしていた我が子を玄関先でちょっと心配そうに見送る親御さんの様子は、なんとも微笑ましいもの。
こうやって少しずつ親離れしていく我が子、誇らしさ30%、心配70%といったところでしょうか。
さて、ランドセルの歴史を調べてみました。
大正天皇が学習院入学の時に、当時の首相伊藤博文が皮革製で箱型の通学カバンを特注し献上したのが始まり。130年の歴史があることになります。
かつて、男の子は黒、女の子は赤と決まっていました。
しかし、2001年にイオンが24色のランドセルを発売、その後、刺繍やラインストーンのついたデザインものも出現!
小学生もオシャレになったもんだ!
欧米からの観光客が大人のファッションとして購入するケースも多いことから、メーカー各社、ファッション性も重視したのかもしれません。
サイズも大きく変化しました。
B5サイズだった教科書がA4サイズになったり、2000年代の脱・ゆとりの影響を受け、教科書のページ数や副教材が増え、持ち物の量・数とも増えたからです。
そのせいで、最近では子どもの腰痛が問題になり、メーカーでは大型化と軽量化に苦労しているといいます。
最近は親の目の届くダイニングやリビングで学習する児童がふえ、学習机の売れ行きが激減していると知り、驚きました。
なるほど「学習机とか、必要なものを買ってあげてね」と言って娘に渡した入学祝いが、オシャレランドセル代に流れていたのか!
やけに大事そうに得意そうにランドセルを背負って意気揚々と通学していると思ったら・。
さらに最近ではランドセルにGPS装置を取り付け、位置情報を確認、AIが通学路など児童の普段の行動を学習し、異なる動きを検知すると保護者のスマホに通知されるという機能つきのものもあるそうです。
子どもの安全のためにITが活用されるのはとてもいいことですが、ここまで来たかというのが実感です。
このように、少子化なのにランドセル商戦は活発化し、人気のものが売り切れないうちにあれこれ傾向と対策を練る消費者の研究と店に何度も足を運ぶ活動を、ランドセル活動=”ラン活”というそうです。
ランドセルひとつに子どもを取り巻く社会の変化が反映されているんですね。
学習机を使わなくなった、というところ、この点も掘り下げてみたくなりました。