・・・腎臓移植を待ちながら週3回4時間ずつの人工透析を受け、苦しい副作用に耐えながらドナー(臓器提供者)があわられるのを待つ患者の姿がテレビ画面に映し出された。
圧倒的にドナーの数が足りないことで全国には数十万という患者が人工透析を余儀なくされていること、脳死などによる提供の待機期間は平均15年であることに対し、ある行動に出た医師がいた。
修復腎移植。
修復腎移植とは、ドナーから摘出した、がんなどを発症した腎臓を修復し、臓器受容者に移植するというもの。
実際に移植を受け、術後の経過も良くピンピンしています!
男性がにこやかに語る様子が続く・・・
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修復腎移植をテーマにしたドキュメンタリーである。
海外の学会で称賛されているこの修復腎移植は、
日本ではしかし、たくさんの患者が修復腎の移植を受け透析から解放されてきたという実績は無視され、批判の嵐の中、この医師は臓器売買をしているなどのバッシングを受け続けた。
日本移植学会など移植関連学会も猛烈に反対し、厚生労働省も禁止の通達を出すに至った。これが2005年のことだ。
多くの患者の移植機会を奪い、腎移植待機中になくなる人が後を絶たない中、患者家族や支援団体は修復腎移植の適用を求めて運動をつづけた。
12年の年月を経て、厚生労働省が条件付きで修復腎移植を先進医療として認めたのが2017年。
海外では当たり前に行われていることが、科学的な根拠もないままなぜこれほどの反対を受け、世論に押され否定され、多くの患者が苦しんできたのか。
もっと早く修復腎が活用されていたならどれほど多くの命が救われたか・・。
国内では約32万人の腎臓病患者が透析治療を受けており、そのうち約1万2000人が腎移植を希望しているという。
条件付き・・ではなく正式に適用されることを願ってやまない。
しかし、なぜ?
一つの意見や批判が広がりそれに同調する人が増えれば増えるほど、まるで真実のようにまかり通る。
ちょっと待てよ。
と立ち止まって考えること、批判的精神というものは葬られ、デマはさらに広がる。
今回は、マスコミや世論の波に、専門家集団までもが飲まれ、結果命が粗末にされることになった。
「日本という国は、わーっと一つの方向に向かうと立ち止まって考えるということができない国なんです。どうしようもない」
当時反対した医師は唇を噛みながら取材に応じていた。
認められるまで長くかかったのは、
医学が遅れていた、とか、
倫理的に認められなかった、とか、
そういう次元の話でない。
こんなに情けないことがあるだろうか。
考えてみればいろんなところで同じようなことが起こっている気がする。