近年の医療の進歩には目をみはるものがあります。
誕生後、保育器の中で一生懸命にいのちをつなげ、頑張る赤ちゃんがいます。
その頑張りに医療が寄り添い、敬い、一緒に試練を乗り越える。
現場はかけがえのない命への畏敬の念が満ち溢れているのだろうと思います。
数週間、数ヶ月に及ぶ入院生活を経てお母さんの腕の中へ。
その後、お家には当分帰れずに一般病棟で過ごさなくてはならない子どももいます。
急性期を過ぎ、重い障がいを持った子は医療的ケア(痰の吸引や中心栄養静脈、人工呼吸器など)が手放せない場合が多く、退院後は自宅での家族によるケア、訪問医療・看護が始まります。
家族は24時間つきっきりのケアとなり、外出も十分な睡眠も確保できません。
そんな社会の変化に合わせ、子どもと家族を支える支援団体や子どもホスピスが各地で立ち上がっています。
ホスピスと聞けば、終末期を豊かに過ごす場所、という定義が一般的ですが、
実は重症心身障がい児や医療的ケアを手放せない子どもが一定期間宿泊し、その間家族が十分な休息を取り気分転換を図るという趣旨もあります。
宿泊中はボランティアなどにより様々なアトラクションが工夫され、子ども同士の交流もあるようです。
日頃の家族の苦労を思えば、利用者がホッとする時間を持てるようになり、その存在は今後も広がっていってほしいと願います。
医ケア児の存在認知も進み、重い障がいの子どもをめぐる社会は随分と抱擁力を増してきたように思います。
と、ここでふと思います。
その先の支援は?
「子どもたち自身が生きる喜びを得ること」に対してはどれほど注視されているのかな、と。
社会の取り組みが、子どもたちへの哀れみや同情に向かうのは誤りです。
彼らだからこその自分の世界の広げ方があり、どう寄り添えばそれが実現できるか模索し工夫していくのが正解と考えます。
生きることは学ぶこと
自ら自分の世界を広げ学び発信する子どもの喜び。
そしてその様子に、ご家族は我が子の可能性を知り誇りを持ち、「この子を育てていてよかった」と豊かな気持ちになることでしょう。
子ども一人ひとりの自尊心や人格に寄り添っていくこと。
これこそが障がいの重い子どもたちへの支援ではないでしょうか。
スマイリングは「その先の支援」を実践していきます。