子どもが大切にされる平和な社会へ

生きにくさを抱える子どもこそ、本質を見抜いている!

息子が大学生活を送る新天地。

引っ越しの手伝いがてら京都に行ってきました。

寮生活を経ていよいよ一人暮らしを始める息子よ、

想定外の困難も思いがけない発見も

全部を糧にしていくことと期待しています。

さて、3月1日の高校卒業式翌日、

寮生活の集大成、3年間の報告会がありました。

高校3年間を親元離れて寮生活をした生徒たち。

離島留学制度を利用して住み慣れた場所を飛び出し

沖縄県久米島で生活した10名。

どの子も親に勧められたのではなく

新聞などで紹介されていた制度に興味を持って説明会へ出向き、

受験を決意したという子がほとんどでした。

→2017/7/15投稿〜久米島離島留学制度

報告の冒頭ではどの子も中学時代に生きにくさを抱え壁にぶつかっていたことを堂々と話しました。

・中学生活に違和感を感じながら模索していた子

・集団に馴染めなかった子

・自分の居場所を見つけられずに学校を休みがちだった子

・勉強嫌いでこのまま高校へ行って同じような生活が待っていることに疑問を感じていた子

・家族との折り合いが悪く、家にも自分の身の置き場がなく悩んでいた子

・・・・・

この子たちはそれぞれの悩みと正面ぶつかりながら打開策を求めて

これからどう生きていったらいいのか

自分はどんな人間なのか

自分は何をしたいのか

をしっかりと考えて

単身親元を離れる決心をしたのです。

中には

自分を変えたい

そのためには自分のことを誰一人知らない世界で新生活をスタートさせたい

という子がいました。

この子たちは15歳にして

この時点で既に

自分はこのまま当たり前に地元の高校へ進学するのでいいの?

と自分とぶつかり批判的思考を繰り返し

本当に自分がすべきことを求めて

思考と葛藤という事業を成し遂げています。

今の自分に最適な場所を模索し

その結果最も厳しい道を選んだ。

誰にも甘えられない

一人で切り開いていかなくてはならない道を。

現地にはサポート体制もあり

何もかもが新しい場所で戸惑う子どもたちを

しっかりと支えるシステムがありました。

しかし、

この子たちは

既存のシステムや学校の支援を超え

自分らしい活動をどんどん創造していきました。

・・生徒の自主性を重んじる

それが留学制度の特色・・

などと掲げれてはいても

やはり大人たちは

前例のないことはダメ

規則ありきの枠組み

形式を重んじる重苦しさ

を押し付けてくるのは

多かれ少なかれどんな社会でも同じ。

そこに親がいたりしたら脅威にがんじがらめになってしまっていたでしょう。

それならと

闘って規則を変えようという労力は温存し

自由な発想で切り開いていくことに

持ち前のエネルギーと

中学時代に模索の苦しみを乗り越えた底力をプラスして

3年間を自分らしく生きていくための

最初のみちしるべを打ち立てました。

海外留学制度を利用して複数回海外で多様性に触れた子、

寮の敷地内に農園を作る許可をもらい立派な野菜作りに夢中になった子、

地域のボランティア活動に参加し支援の必要な現場体験を重ねた子、

土地の芸術文化を思う存分味わい体得した子、

島の漁協に就職して漁師になる夢を実現させた子。

大自然の中でゆっくりと自分を見つめ

自分を知り

他者に感謝し

社会を良くするために自分にできることを探す時間がふんだんに与えられ

結果、芯が強く開拓精神旺盛な若者が育ったのです。

余談かもしれませんが、

ここまで彼らを見ていくと

行政とNPOの関係に似ているなあと感じます。

組織や行政の手に及ばないこと

発想に及ばないところに

自由な発想と当事者意識を総動員して

行動するのみ・・

これがNPOの姿とすると

ここの子どもたちの生き様は

頭の堅い大人たちの眼中に及ばないことを

若い力と創造力を結集して

素直にまっすぐに行動に移している・・

そんなところから、NPO設立者として

彼らにとても共感し、ワクワクします。

若い力を埋もれさせないシステムづくり。

この国の未来のために

何より構築していかなくてはならない課題ではないでしょうか。

若者たちへ

大人たちが決めたことに疑問を感じたら

従わなくてはならない、

ではなくて

自分の頭で考え

仲間を巻き込んでいけるようなアイデアに変え

若い力を存分に発揮し

惜しみなく実行していってほしいと思います。