社会は誰のもの?
誰でも行きたいところへ自由に行けるのは
当たり前のことではないでしょうか。
車椅子ユーザーの友人が
JR の無人駅で
介助を拒否されたのはつい先日のこと。
この事実自体が悲しいし、
問題視した彼女のブログ発信に
非難の声が殺到、とは。
事前に連絡しないのが悪い・・・
駅員の負担が大きすぎる・・・
なんという共感力の欠如。
その人の立場になってみる、
障がいのある人の困難さを想像してみる、
そんな風にできない方が大勢いることに
愕然とします。
障害者差別解消法と合理的配慮
社会は健常者と呼ばれる
不自由のない人間用に作られています。
多様性はここでは絵に描いた餅です。
だから、障害者差別解消法が定める
合理的配慮が必要です。
世の中が
いろんな人がいることが当たり前に成り立っていたならば
本来はそのような法律はなくたって
暮らしやすいはずですが・・・。
例えば障がいを理由に
学校の入学を拒否したり
サービスの提供を拒否したりすることは
差別に当たります。
そして
通路に点字ブロックをつけたりスロープをつけたり
テレビのニュースなどで手話通訳をつけたりなどは
バリアフリーに向けた合理的配慮です。
障害者差別解消法の落とし穴はここにも!
この障害者差別解消法は
行政機関を対象とした
不当な差別を禁止する義務。
民間事業者に対しては現在のところ
努力義務となっていますが
義務付けに変える法改正案が現在審議されているところ。
合理的配慮の努力を促すだけではなく、
事業者にも義務付けるというものです。
しかし気になるのが
「合理的配慮はその実施に伴う負担が過重でない時に行う」
という条件がついています。
この過重でない時、
というのが曖昧で
どの程度なら過重なのかは
それぞれの環境や立場によって異なってくることだと思います。
個人の感じ方にもよるでしょう。
「実施に伴う負担が過重でない時に行う」
という但し書きは削除するか
具体性を持って改正されるべきです。
「ちょっと負担が大きいのでできません」
で済ませられてしまいそうです。
合理的配慮怠慢の言い訳や
逃げ道を作ってはいけないと思うのです。
当事者の言葉こそ社会を変える!
差別され合理的配慮もされなかった彼女は
自分の被った不愉快な出来事を
やり過ごすことなく
社会を変えるために発信しました。
しかしその挙句
非難されるとはどんな冷たい社会でしょう。
わがままだと指摘した人もいるそうですが、
決して自己中心的なことを言っているのではないのです。
自分が感じる差別や不便さは
どんどん訴えるべきです。
生活する上での障壁を指摘し
全ての困難のある人の代弁者として
社会を変える力になるのですから。
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電動車いすユーザーの友人が
行政に訴え、駅へ向かう道の段差を
コンクリートでスロープ状に変えた
ということがありました。
電動車いすは少しの段差でも大きな障壁になるといいます。
彼女の生活の質はぐんと上がりました。
ベビーカーを押す方や高齢の方にとっても
便利になったと思います。
一面的に作られた社会の未熟さに対して
別の角度で問題提起し
どんな人にも住みやすい世の中にしようという
当事者の声はとても貴重なもの。
行政や事業者はもちろん、
全ての人が積極的に彼らの言葉に
耳を傾け、一緒に考え
良い社会にしていけたらいいなと思います。
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