つれづれにっき〜スマイリングな日々〜

いいぞ!新出生前診断 認定作業中断!

新出生前診断の申請をしている国内の21病院に対し

認定作業が中断していると

先日新聞に小さく載っていました。

認定機関の日本医学会は申請受付も停止しています。

お!やった。

というのが正直な気持ち。

だってこの検査、

命の選別につながる優生思想が根底にあるとしか思えないから。

反対する人がとても多いのになぜ?

という疑問が払拭できずにいたから。

美容外科など無認可のクリニックで

検査を受ける妊婦が急増しているというのは

兼ねてから問題視されていました。

安易な命の選別を当然のこととするような

医療機関があることがまず許せない。

その広告をネットサーフィンして見つけました。

 年齢制限なし。

 一度の採血で完了。

 陽性の場合は当院にて無料で羊水検査可能。

 来院1回で検査可能。

 1度の来院、30分で採血。

などなど。

まるでプチ整形並みの気軽さではないか!

(したことないけど)

優生思想が無意識に若い母親に浸透してしまうのではないか・・・

多様性を尊重しない視野の狭い人格の増殖にならないか・・・

差別的な価値観の植え付けの危険・・・

いかにも寄り添っているかのようで

実は弊害だらけの

検査機関の宣伝文句。

怒りしかありません💢。

認定作業中断の背景にある

専門家の間での対立実態を

調べてみました。

日本産科婦人科学会の立場

🌀認可の早期再開を目指す!

妊娠の管理の目標は、妊娠が安全に経過し分娩に至ることであるが、同時に児の健康の向上や適切な養育環境を提供することでもある。基本的な理念として出生前に行われる検査および診断はこのような目的をもって実施される。

実施施設にアクセスしにくい地域があったり、希望する妊婦が検査を受けられる期間は限られているという実態から早期再開を目指す。

💢💢💢💢💢

参考:日本産科婦人科学会HP

日本小児神経学会の立場

🌀安易な導入について反対!

重度脳障害児から「発達障害」児までの治療、療育指導に深くかかわっている立場から、病因が何であっても、症状がどんなに重症であっても、子どもたちの「多様性あるいのち」「尊厳あるいのち」「より快適で広がりのある生活」を支えるための医療と支援をするスタンス。
子どもたちが生まれる前も生まれてからも、生きる権利を擁護する立場にあり、

障害の可能性ゆえの選択的中絶が大きな選択肢として前提とされる出生前診断は、極めて限定的に慎重に行われる必要がある。
また現在何らかの障害をもちながらも、医療や医療的ケア、教育、福祉支援によって前向きで広がりのある生活をしている子どもたちの存在を将来否定することになりかねない。

決して「間違わない検査」ではないことも承知しなければならない。

⭕️⭕️⭕️⭕️⭕️

参考:日本小児神経学会HP

日本小児科学会の立場

🌀検査の普及は深刻な事態!

小児医療の向上のために研鑽を積む小児科医を中心とした学術団体としてさまざまな病気や多様性をもって出生した子どもたちの命と生活を守る、いわば子どもたちの代弁者の立場。

NIPTにより染色体の病気の子どもたちの存在を否定しかねないと認識する。

NIPTを希望する妊婦とご家族の意思、判断は尊重されるものだが、染色体の病気の子どもとご家族の実情を知り考える機会をまず持ってほしい。

検査の実施は、染色体の病気のある方とともに生きる社会の実現を遠ざける結果になると危惧する。

⭕️⭕️⭕️⭕️⭕️

参考:日本小児科学会HP

日本臨床倫理学会の立場

🌀胎児の権利を侵害する可能性があり,優生思想にもつながる恐れ!

母親が高年齢の場合や、染色体異常症の児を出産した既往のある妊婦で、胎児の異常の有無を深刻に考えている場合は、検査の要請があれば、これにこたえることは臨床医の義務でもある。

しかし、人は多様性のある生物であり、障害があったり、遺伝子異常があることは生物の常である。これを大多数の人が容認するような社会であれば、胎児異常を心配する妊婦の負担が相当軽減される。

胎児の異常に関する検査をマススクリーニングとして行うことは、胎児の権利を侵害する可能性があり、優生思想にもつながる恐れもあるので慎重であるべきだ。

⭕️⭕️⭕️⭕️⭕️

参考:日本臨床倫理学会HP

躍起になっているのは日本産婦人科学会だけ。

妊娠が安全に経過し分娩に至ること

児の健康の向上や適切な養育環境を提供すること

がその理由だが、

説得力に欠ける気がしてならないのです。

新出生前診断は中絶につながる可能性もあるため専門家が遺伝カウンセリングを行う体制が整った病院で行うことが求められています。

しかし、日本臨床倫理学会によれば、高齢出産等、検査が必要な場合においても遺伝カウンセリングが徹底していないそうです。

妊娠が安全に経過し分娩に至るという趣旨から外れているようにも思える・・・。

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専門的すぎるがゆえ、

情報の取捨選択が難しいところがあるが

幼い頃から命や健康、身体をテーマにした教育が行われることが

共に生きる価値観を共有する自然な流れを作っていくと考える。

参考までにこれまでの「からだ科」の提案。

→2018/8/9投稿「小学校の科目に『からだ科』なんてどう?

→2018/10/10投稿「やっぱり『からだ科』作ろうよ。

命と向き合うこの問題は大いに議論されるべきであり、

多様性の中で生きる社会の実現は

医療界こそが啓蒙していかなくてはならない

大きなテーマだと思います。

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