活動もままならない現在
あとどのくらいしたら現場に行けるのだろう・・
と悶々とすること頻り。
そんななか
神奈川県より取材の依頼がきて
気持ちが上向きになりました。
神奈川県福祉子どもみらい局 子ども家庭課が運営する
というサイトの特集記事内で
団体を紹介してくださるとのこと。
このサイトの理念は
”慢性疾病に罹患する児童のすこやかな成長と自立を支援する”
というもの。
HPをみて団体を知ったとのことでしたが
スマイリングホスピタルジャパンは
東京都に事務所を置きながら
活動を開始したのは
神奈川県立こども医療センター。
そこから繋がったのかもしれません。
「入院中の子どもの芸術活動を通じた自立支援」
というテーマで
当事者や家族
現場
そしてアーティストへの取材
さらに代表からの
”当事者の方への応援メッセージ”
と内容は盛りだくさんです。
自立支援・・・
病気の子どもの自立とは
退院して学校に通い社会復帰を果たすこと
と思い浮かぶのではないでしょうか。
そしてそのための支援とは
相談機関や学校につなげるコーディネーター的な役割
というのが誰もが持つ一般的なイメージかと思います。
私たちは患児の生活の自立を目的に掲げている訳ではありません。
入院生活をトータルな成長の場所にするために
芸術という情操活動を行なっているにすぎません。
入院生活を送る上で自分らしくいられたら・・という願いを込めて。
しかし神奈川県がSHJを選んでくれたのは
私たちの理念や実績をよく理解してくださったからだ
と嬉しくなります。
自立=心が解放され自分らしく生きること
という私たちの理念を。
年末出版予定の著書にも度々書いていますが
治療と安静という受身ばかりで
守られる立場に置かれた
入院中の子どもたちにとって
私たちが推進する「参加型アート」
は心の自立に大きく寄与していると確信しています。
アートを通して
こどもが変化する様子をいくつも見てきたからです。
参加しなさいと無理強いすることなく
自ら参加したくなる空気感作りから始まる活動ですから
・参加する自由
・見ているだけの自由
・少しだけ参加する自由
・参加しない自由
全てが保障された環境で
子どもの自発性を待つ、
というスタンス。
その上で色々なシーンがあります。
保育士さんに誘われてもお腹が痛いし何もかもがいやだ!と
全てを拒んでいたのに
活動の様子が気になりジワリジワリと惹かれて
プレイルームに一人やってきて
最後は友達の分、家族の分と
たくさんの作品を作り誇らしげに自室に戻って行った子
手術を嫌がって泣いていたのに
アーティストと一緒に新聞紙で作ったドレスをまとい
お姫様の姿になったら
ぐずることなく手術室へ向かった子
アーティストとのセッションで音楽に目覚め
退院してからピアノを習い始めた子
などなど。
受身で守られるばかりの立場だったのに
芸術を通して
自分を取り戻し
自分を表現し
心が解放され
他者とのコミュニケーションを作ります。
気持ちが内向きになって
しがみつくかのように
やり場のない怒りや悲しみから解放されなかった子どもが
自発的に楽しむことを覚え
身体の痛みや不自由と折り合いをつけながら
自信を取り戻していった姿
そして手術や治療に前向きになった姿こそが
心の自立です。
*****
そして支援。
私たちは入院という成長の場に
参加型芸術という情操活動を届けるために
病棟や施設に行きますが
応援を受けるのはむしろ私たちです。
幼くして病と闘う姿は
個人として、芸術家として異なる背景を持つ多くの人の胸を打ち
勇気をくれるのです。
病気と闘いながら
芸術活動に夢中になって豊かな感性を発揮する姿そのものに
大きな勇気をもらっているのは私たちのほう。
もともと
たくさん遊びたくさん学んでたくさんの経験をして
成長する年代の子どもや若者が
病棟という閉鎖的な場所で過ごさなくてはならない
ということに心を寄せ、
自分のできることで力になりたい、
とたくさんのアーテイストが集まってきました。
しかし子どもたちと一緒に過ごす時間の中で
励まし応援されているのは
私たちのほうだ、と話すアーティストがたくさんいます。
また、芸術家として生きることに疑問を持っていたアーティストが
闘病を頑張る子どもたちとの出会いにより
芸術が人の力になれることを実感して自信を取り戻した人もいます。
支援、という名のもとに
お互いがフラットな関係で勇気を与え合う・・・
そんな私たちの活動を紹介できる場面が
またひとつ増えること
これこそが
大きな励みになります。

小児慢性特定疾病児童等自立支援ページ「あなたの未来を見つけに行こう」
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