〜本物のアートを届ける!〜

「患者さんたちに喜んでもらおうとして、子ども向けの音楽を選んで演奏する、というのはどうなのかな?」

とNさん、再び単刀直入に質問をします。

ハープならハープの名曲を聴いてほしい、と。

本物のアートを届けたいSHJの理念にまたピタリ。

「大人ならわかる」という理屈は、少なくとも芸術の感性に関しては当てはまらない、むしろ子どもだから感じることができる、と言えると思います。

よく、子どもにジャズ? ボサノバ?

わかるの~?

という声を聞きます。

これはとんだ先入観。

子どもの心はスポンジのようでそしてとても純粋。

音楽に合わせて自然に体を動かして全身で感じています。

だから素直にいいものはいい。好きなものは好き。

本物がわかるのです。審美眼は大人よりすごい。

だからアーティストたちはいつも容赦ない子どもたちの審査を受けているよう。

子どもたちから学ぶ、成長させてもらうという感覚はここでも納得です。

そんな風に答えると、またまた、

「全く同感。子どもたちに媚びるの、好きじゃないの」と。

せっかくの技があるのに、子どもの好きそうな曲を無理に奏でる必要はない。時に変化を持たせる意味で取り入れるのは面白いかもしれない。

でもそればかりだと、知ってる曲しか興味がない、となってしまいそうで、豊かな感性の持ち主たちには本当にもったいない。広い世界を知る意味でも、素晴らしい音楽をたくさん聴いてほしな。

という私の意見にも、大きく頷いてくれました。

Nさんははっきりとした演奏家としての、パーフォーマーとしての理念を持っている。

聴いてもらう側の心意気を感じます。

〜かわいそうな人じゃなくて・・〜

月に1度、事務局ミーティングの後、ボランティア説明会をしています。

今日の説明会にアーティスト応募をしてきてくださったのはフィンランドの音楽大学でハープを学び、演奏活動をしているNさん。

車椅子で来てくださったNさんは、様々な種類のハープを車に乗せて、求められるところどこへでも演奏に出かけるバイタリティあふれる女性です。

自身が立ち上げたNPO法人ホスピタルコンサート2001は、「芸術的な感動は治療や機能回復訓練と同じように大切なもの」と考え、病院や施設などでのコンサートを事業としています。

理念を同じくして出会うべくして出会ったと確信、いえ、SHJを見つけてくださったことに感謝するばかりです。

受け入れる側も演奏者にもスペースや経費、その他環境が整っていない現状の中、主に施設での活動をするにとどまっていたそうです。そんな中、演奏家で代表のNさんは、「SHJを知り、子どもたちと一緒に病棟で活動する夢がやっと叶う」と目を輝かせていました。

スマイリングホスピタルジャパンのホームページをを見つけた時は、「あ、これだ!」と思ったと笑顔で話してくださった時は、何より嬉しい瞬間でした。

小さい頃から入院生活が多く、ずっと車椅子生活。

いろんなボランテイアが訪れては演奏してくれたり、マジックを見せてくれたりしたけど、どれも単発の慰問。それが続くといつの日か、

「自分たちを哀れんで来てくれている。私ってかわいそうな存在なの?」

と子ども心に自問したといいます。

そんな風に思わせてしまうボランティアってなんでしょう。

・・・・・

「どう思いますか、松本さん」

単刀直入に尋ねてきました。

私は迷わずいつも心に思っていることを話しました。

「ボランテイアってやってあげてるじゃなくて、やらせてください、というスタンス。はじめは支えるんだと意気込んで活動を始めますが、逆に自分たちが目の前の方たちから大切なことを教わります。それに気付いて、子どもたちのところへもっともっと行きたいと思う。SHJのアーティストボランティアたちはそんな人たちです」

「治療を受けている人たち、困難と立ち向かっている人たちはかわいそうな人じゃなくて、尊敬すべき人たちです」

ホッとしたような顔で、「そんな松本さんを尊敬します」

嬉しい言葉をいただきました。

最初は試すような、怪訝そうな表情で説明を聞き始めたNさんでしたが、話せば話すほど穏やかな優しい表情に変わっていき、共感が生まれた瞬間を沢山感じることができた、素晴らしい出会いでした。これからもたくさんの共鳴がありそうな予感です。

NPO法人Hospital Concert 2001 Official Website

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〜日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム〜

医療の進歩により救える命、日々改善される治療。難病に向き合う子どもと家族。

世界に誇れる日本の周産期・新生児医療体制によって救える命が増えると同時に、医療的ケアを日常的に必要とする子どもが増えています。

治療方法が日々改善される一方、病気と向き合いながら生活する子ども、限られた時間を病気と闘いながら過ごす子どももいます。

どのような状況にあっても、子どもは学び、遊び、刺激を受けながら日々成長します。

そして、子どもの家族、兄弟姉妹は、難病の子どもが成長する期待、喜びを感じるとともに、生活環境の変化、不安に向き合いながら生活しています。

私たちは、「難病の子どもと家族を支えるプログラム」を通じて、難病の子どもと家族の社会的孤立を防ぎ、みんながみんなを支える社会を目指します。

日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム サイトより

日本財団と日本歯科医師会によるTooth Fairy プロジェクトにより、2015年から病棟、施設での芸術活動を助成いただいています。こちらのサイトでスマイリングホスピタルジャパンの活動が紹介されています。

難病の子どもと家族が孤立しない、みんながみんなを支える地域づくりを目指して、在宅生活、入院生活、キャンプ・旅行を支える施設整備・人材育成・調査・啓発事業を行う33の団体、37の事業に助成するプログラムです。これからも全国へネットワークを構築し続けるこの取り組みは、時代の流れ、ニーズに即した画期的なものです。詳しくは、下のサイトで!

日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム サイト

 

〜参加者がたった一人でもおなじこと〜

病院というのは同じ病棟でもその時その時で状況が違います。

体調の変化はもちろんのこと、院内学級の時間割が変わった、急な検査が入った、体調がいいので一時退院することになった、など。

また、入院生活は単調なようで、処置や入浴、診察、院内学級へ登校、ベッドサイド授業、宿題・・と、結構忙しいもの。

しかし、いったん安静が必要になると途端に退屈な時間となります。

そんな時は痛みや不安ばかりと付き合うことになりますから、そんな子にとってはSHJの訪問が何よりの楽しみになります。

早く来ないかな、と楽しみにしてくれ、活動が始まると体調の悪さも忘れて夢中になれるから、本人はもちろん、まわりの大人もホッとします。

活動の導入説明の時には、

「当日にならないと状況がつかめませんので準備くださった活動が全くできない、ということもありますがいいですか」

「参加できる子どもが極端に少なくなり、一人になることもあるかもしれません。それでもいいですか?」

「感染症流行期には突然のキャンセルもあります」

と言われることが多いもの。

訪問が開始されても、

「せっかく来ていただいたのに、一人しかプレイルームに来られません。すみません!」

とも。

参加人数は一応数えているけど、ある程度の人数が確保されないとがっかり、ということは全くありません。イベントではないのですから。

多いときはワイワイ賑やかなのがメリット、多いからできる活動を、そして少ないときは個別にうんと関われるメリットがあります。

さすがに一人では申し訳ない、と現場は思ってくださるけど、とんでもない。

その子は同じように待っていてくれ、それが一人だろうが、50人だろうが、本人には何の違いもありません。

参加人数が多かった、というのは入院児が多いということ、病気の子が多いということ。参加が多くて嬉しいとしたら矛盾しています。

現場の方はもちろん、同じ考えなのだけど、せっかく来てくださってるから、と気を遣ってくれます。たくさんの子どもに参加させようと声をかけてくれますが、たった一人でも私たちはおなじ思いで活動させていただいています。

ボランティアって、自発的な行為だけど、だからと言ってせっかくしてあげてるのに・・という気持ちを少しでも持ってしまったらおしまいです。

させていただいている、ありがとうございます、という気持ちを忘れずにいたいものです。

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〜アシスタントコメントより〜

アーティストはもちろん、活動を支えるアシスタントの存在はとても大きいもの。

活動報告書のアシスタントコメント欄は毎回臨場感たっぷりです。

ここで一部紹介します。

日赤での眞理さんの活動~ピアノ弾き語り&リクエスト~

重度のお子さん達がアーティストのお話や歌を聴いている様子、息遣いや目 元、お口の形の微妙な変化などを見るにつけ、感動で震えるそのお子さんの心が命を紡いでいるのではないかと思います。

今日は眞理さんの世界に浸っていて、ふとそんなことを強く思いました。

お子さん達それぞれの感性を、保育士さんのアドバイスも頂きながら眞理さんのピアノと歌声がノックしていきます。

ああ やっぱりこれが大好きなんだあ♪と思える感触があった時は、それを再確認できた嬉しさを味わせてもらっています。

付き添いのお母様のリクエストはアナ雪♪ 

ほっとひと息 肩の力を抜いて緩んで頂けたでしょうか。

眞理さん、今日も温かくて優しい時間をありがとうございました。
日大での麻里さんの活動~塗り絵・貼り絵ワーク~

なんとも頼もしく、可愛い新人アシスタント現る!

プレイルームでは一番乗りの女の子が待っていてくれました。

複雑な点滴スタンドを操りながら皆さんを迎える準備のお手伝いも楽しそう。

ここに並べるといいねとアドバイスもしてくれます。

マイ鉛筆削りも持参していてみんなで使わせていただきましたよ。

その鉛筆削りが話題に一役買って、塗り絵の最中に大人たちはネットで検索しはじめたり、終始明るく楽しく和やかな空間です。

丁度お勉強の時間でここに来られないお子さんの為にお母様が塗り絵を選びに。

麻里さんのポップでお洒落で可愛いイラストを目にすると、子供達より大人の方が迷いに迷っているのは何処の活動でも一緒ですね。

又、お家に居るおねえちゃまにも、こんなのが大好きと言いながらご希望のものを持ち帰るお母様も。

かぶとむし・カブトムシ・甲虫・・と整然と並んだカブト虫だけのイラストは早々に品切れ! 

ちょっと立ち寄ったドクターも男の子の塗り絵を見ながら、カブト虫と言えばヘラクレス!!と。

女の子たちはハートもキラキラも大好き。

おしまいの時間になっても、まだまだいっぱいキラキラを付けたい!とおへそを曲げているお子さんの笑顔が見たくて、そばの大人達もなんだかんだと言いながら大急ぎでお手伝い。

まだまだ言葉が少ない幼児さん。描いているのか塗っているのか、大胆な色鉛筆使いにみんなして良いねっ、上手だねぇ。

なんだか大家族のようで温かいのです。

どの日も『今日』は、此処こそが日常なのですね。 

病棟に居ても、少しでもお家のように自分らしくいられること。

子ども達の為に、ご家族もスタッフさん達もきっとそんなことをとても大切になさっているのだなあと思いました。

そして麻里さんはいつだって自然体。 

このプレイルームでみんながぴたっと一つの絵のようでした。

一つ一つの活動を大切に、その余韻に浸りながら振り返る時間も豊かなひと時になっていたら嬉しいです。

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