医療的ケア児や重い障がいの子にお家で学習サポート!

「学びサポート事業」が10月スタートしました。

現在教材準備と試行、リサーチを進めています。

「学びサポート」とは?・・・

痰の吸引、胃ろう注入、人工呼吸などの医療的ケアを受けながら自宅で過ごす子ども、

重い障がいのために体調が不安定なため、特別支援学校に通学籍があっても週に2~3日しか通えない子ども、

通学しても学校での医療ケアに限界があるため、途中で帰宅せざるを得ない子どもなど、

教育を受ける権利が十分に保障されていない子どもがたくさんいます。

関連として、9/15投稿 医療的ケア児にもっと目を向けて!を参照ください。

http://ellie.smilinghpj.org/?p=2506

この不条理に対して自ずと必要性が浮かび上がったのが、「学びサポート」。在宅での学習サポート事業です。

数名のお母様方に対する聞き取り調査を通して、学校になかなか通えない子どもの現状が浮き彫りになってきました。

学校での集団活動には大きな意義がありますが、反面、個別的な対応の必要性が高いにもかかわらず、個別学習の時間が学校生活の中で必ずしも十分に確保されていない実態もわかってきました。

今回は週に2~3日しか通学できず、その上ほとんど途中で早退しなければならない中学生Kくんのお宅にお邪魔しました。

すでに不定期の個別学習をしているKくんですが、ご家庭がSHJの学びサポートの実地リサーチと聞き取り調査に協力してくださいました。

Kくんと担当の特別支援学校教員とのやりとりは生き生きとしたものでした。

途中数分の休憩を挟んだ1時間半に及ぶ授業にKくんはとても集中して熱心に取り組んでいました。

数量の概念学習は教員の手作りの教材で。

発話が困難なKくんは教員の手作り文字盤を使って質問に答えていました。

Kくんのさんすう学習の様子を見て、数量概念がどのように作られていくのかなど、障がいのある子どもの学習には学びの本質があると感じました。

障がいのある方から多くの学びがある、こちらが学ばせていただいた時間でした。

学びサポート事業を通して学びたいけどその機会に恵まれない子どもに寄り添っていきたい!

と強く感じました。まずは団体の体制を十分にするため、しばらくはリサーチと準備に集中します。

Smiling Hospital Japan Official Website

~アートで生活にリズム!~

生まれてからずっと病院にいるというEちゃんはもうすぐ2歳。

ベッドの柵の中から満面の笑顔で迎えてくれるEちゃんには毎回励まされています。

そのベッド周りにはスマイリングホスピタルジャパンのアーティストによる似顔絵や一緒に作った作品、

そして2ヶ月に1度の「SHJ病棟の写真屋さん」で撮影、プレゼントした写真がたくさん飾られていて、Eちゃんご家族にも励みになっているのかな、と嬉しくなります。

患者さんも家族も、そして病棟スタッフも毎週月曜日はスマイリングの日と言って楽しみにしてくださっていること、久しぶりに2週連続アシストをして実感しました。

週替わりのアートプログラムがワクワクをもたらすことはもちろん、「定期活動」が、とかく単調になる入院生活にリズムをつけていると保育士さん。

「今日はスマイリングの日だから〇〇は~時からね」とスタッフ同士の打ち合わせにSHJが参加していること、そしてそれが医療者の緊張の連続の中にもリズムと癒しをもたらしていると。

Eちゃんのお母様がお子さんの成長をブログに綴っています。そして毎週月曜日のSHJの活動のことを紹介くださっています。

ご家族のEちゃんへの深い愛情を感じずにはいられないあったかいブログです。

短腸症候群の息子の記録~小児病棟に笑顔を~

 

今日のプログラムはギタリスト 平原謙吾&ボーカル 久末冴子(オトイロクレヨン)の音楽&お話会。

画家でもある冴子さん作、紙芝居形式の二人の自己紹介は好きな食べ物や乗り物などポップなイラストで。

オリジナルの紙芝居に、深く透る歌声とギターの音色をバックにしたワクワクのお話にみんな夢中。

紙芝居舞台の前でお話しながら歌いながら、自然に身体が揺れる二人を見ていると子どもたちも誘われて心地よく身体がリズムをとります。

オリジナル曲『しあわせ』は一転リラックスできる美しい調べ。

Eちゃんはベッドサイドでお母さんのお膝の上でニッコニコ。

「パパ、お月様とって」のお話を満喫していました。

お客さんが好きなのでしょうか。今日もEちゃん!といってベッドに近づくアーティストとアシスタントを見つけると溢れるほどの笑顔で歓迎してくれました。

個室、ベッドサイド訪問は家族だけのアート時間。

今日は深く柔らかな声で歌とお話。そして耳に優しいギターの音色と。

来週はクラフトワークです。どんな作品ができるかな。

久末冴子ブログ

平原謙吾 Official HP

Smiling Hospital Japan Official Website

〜アシスタント研修@似顔絵の会@日赤〜

SHJ新アシスタントの研修のため日赤医療センターでの活動に参加しました。

日赤では活動回数が多いため、アシスタントが複数必要です。

ボランティアは常時募集していて、月に1度、東京ボランティア市民活動センターにて説明会を行っています。

応募してくれたのは保育士の奈良百恵さん。

笑顔で研修中!
プレイルームで、個室で、それぞれの場所で注意することや工夫を。これは真剣!

私とは親子ほども離れているけど、保育士ということもあり、子どもへの寄り添い方は確かなもの。

ついつい孫の成長についてまで、気がかりを相談。初めての現場なのに、頼りになる方だとすぐにわかりました。

活動は絵本挿絵家 水野ぷりんさんの「似顔絵クロッキー」

ぷりんさんの報告書から・・

似顔絵もモデルなんて初めての子供たち。初めは恥ずかしがっているお子様も多かったのですが出来上がると、気に入ってくれた様子、にこにこしてくれて嬉しかったです。「ボランティアってありがたいですね」とおっしゃってくれたお母様もおいででした。なかなかお顔を見せてくれない男の子の時にスマホで写真を見せてくれたお母様。助かりました。付き添ってくださった岩井さんが、とてもおしゃべりがお上手。子供たちの気持ちをほぐしてくださるので、私は、絵に集中できました。有難うございます。

どこの病院でも「入院中に似顔絵を描いてプレゼントしてくれるなんて!」と喜ばれているぷりんさん。

優しい優しい笑顔で話しかけながら観察して特徴を掴み、最初のタッチからみるみる仕上がり表情までもそっくりに。

「そっくりに描いてくれる」のも嬉しいけど、仕上がっていく過程を見ているのもウキウキ。仕上がる程に、子どもの表情がやわらくなります。最初からきゃっきゃとはしゃぐ赤ちゃんも。

柔らかい作風に癒され穏やかな気持ちに。皆さん、決まったようにベッドサイドに飾ってくださいます。

日赤アシスタントの岩井眞知子さんからは、活動で一緒になるたび、子どもや親御さんへの寄り添い方について多くを学んでいます。

患者さんへのみならず、アーティストへの労いも忘れません。活動が終わるとジップロックにおやつを詰めて「はい、お疲れ様」。

アシスタントの力。

最初は怪訝な顔をしている子どもたちが笑顔になる変容は、アーティストだけでなく、アシスタントの力もとても大きいものです。

これはどこのアシスタントも同じ。穏やかさと相手の立場を慮る洞察力を誰もが持っている。

それもSHJの自慢のひとつです。

水野ぷりん絵本Work

Smiling Hospital Japan Official Website

~学びの秋~

学園祭の秋。

都立特別支援学校の学習発表会に行きました。

毎年見学していますが、SHJを始めてから重心の子どもたちへの関わり方に団体としての課題が高まっているせいか、

子どもの実態に則した教員の動きが自然と見学のポイントになりました。

印象に残ったのが、

「方法を工夫さえすれば全ての人が学びを深め、自分の世界を広げていける」

という理念を教員同士が共有しながら困難さに寄り添う関わりを徹底しているグループの発表です。

このグループは最重度と言われる重症心身障がいの高校生のクラスです。

生徒自ら学べる環境を作るため、教員は本人とやりとりしながら一人ひとりをよく観察します。そして身体のどの場所が意図的に動かせるのかを見極めます。

その自発的な動きで最大限意思を表出できるよう、音声出力補助装置VOCA*や、一つのスイッチのオンオフでパソコンを操作できるよう工夫した支援機器、

働きかけながら目と手の協応を引き出す教材教具、

そして始点と終点がはっきりしていて自分の手の動きに対して明確なフィードバックがある教材

を作成し使用している日頃の授業の様子を発表していました。

とかく見た目で「わからないだろう」と思われがちの重心の方たち。

正直なところ、SHJの活動でも、アーティストたちは、

「見えているのかな」

「聞こえているのかな」

「言葉を理解しているのかな」

・・・・・・

とわからないことだらけでした。

院内学級にいた私も、特別支援学校の教員でありながら教科指導をしていたこともあり、重症心身障がいの子どもたちとの関わり方にいつも戸惑っていました。

特別支援学校教員免許を取った時に勉強したはずなのに、その内容は何一つ活かせない。

目の前の子どもの力を引き出せない非力さ・・申し訳ない気持ちを教員を辞めるまで引きずりました。

ところがこのグループの実践は環境さえ整えばできないことは何もない、という考え方のもと、生徒たちに寄り添います。

そうだったのか。これまでの自分の無能さにハンマーで頭を叩かれたくらいの衝撃と、安堵が。

今年の3月のSHJ全国研修・交流会にて講演を依頼したのが、この方法を実践している特別支援学校の教員でした。

その内容が、ベッドサイドでの活動に活かせる!と、反響が多かったことから冊子にまとめました。

今ではSHJのアーティスト、アシスタントが、活動場所までの道中ヒントを再確認している、ハンディでいつでも手にとれて便利、と活用しています。

重症心身障がい児者と関わる現場や普段の生活の中で触れ合う機会に大変役立つヒント満載で、全国から送って欲しいという依頼が続いています。

ご希望、お問い合わせは事務局まで。

毎年、とても勉強になる学習発表会。

学びの秋。生徒たちの学びへの意欲が爽やかな気持ちにさせてくれます。

来年も楽しみです。

VOCA = Voice Output Communication Aid 「音声を出力するコミュニケーション機器」ビッグマックなど声を録音してスイッチで再生できる機械や、トーキングエイドなど発話機能がある機器を指す。

Smiling Hospital Japan 事務局アドレス info@smilinghpj.org

Smiling Hospital Japan Official website

〜アーティストコメント紹介!〜

活動のたびに報告書をアーティストとアシスタントに書いてもらい、記録、振り返り、次への動機づけとしています。

徳島はっちーさんの報告書から一部抜粋します。アーティスト自身が自分の活動を通してどんな成果があり何を学んだかを、心を込めて綴ってくださり、SHJの意義を改めて感じることのできるコメントです。

ショーの前の念入りな準備。病棟では学習室がSHJの控え室に早変わり!

プレイルームでのショーの時間。初めは目を合わせてくれなかった子、泣きそうだった子、怖いと言っていた子たちが、パフォーマンスを始めると自分から手を伸ばして近付いてくれたり話しかけてくれるようになったりするのは、いつものことながら嬉しいです。

病室では、これから処置室に入るという目に涙を浮かべた男の子のご家族から「風船で剣を」とのご要望がありプレゼント。男の子は涙目ながら好きな色は「青」と答えてくれました。作りながら話しかけ、風船でいたずらし、コミュニケーションを図りつつ風船の剣を作り上げると男の子の顔に笑顔が。ショーの時と同様にささやかでもこういう気持ちの変化を引き出せると、とても嬉しいです。

病室では他に人見知りの女の子や人懐っこい女の子とも出逢いました。人見知りの子はずっと壁のほうに体を向けたままチラチラこちらを横目に見るばかりで最後まで体は向けてくれませんでしたが、ピンクが好きとのことでピンクのお花やハートの風船をプレゼントし、しつこく話しかけ続けると(笑)少~しだけ表情がゆるみました。その地味な変化の嬉しいこと(笑)。

一方の人懐っこい子は初めから笑顔で、僕のことを「可愛い」と言ってくれたりとウェルカム態勢でしたが、コミュニケーションを取っていると更に打ち解けた姿を見せてくれました。

そして、僕たちのようなパフォーマーもそれは同じで、パフォーマンスでの変化は一時のことかも知れませんけども、その明るい変化が新しいことに繋がったり、積み重なって心の持ち方が明るくなったり、長い目で見て子どもたちの良い何かを引き出す一助に…なれば良いなと。

でも、そういう難しいことを抜きに、ただ子どもたちと芸を介して遊ぶということが凄く楽しくて、それで充分かと思ったりもするんですけど(笑)。とにかく病棟で子どもたちと遊ぶことが毎回楽しいんです。

気が付くとスマイリング・ホスピタルの帰りは、いつも清々しい気持ちになっていて逆に子どもたちからエネルギーを貰っています。

今回は普段とは少し違う表現を自分の中から引き出すことに繋がったので、面白く、嬉しかったです。子どもたちのお蔭でまた自分の可能性が広がった気がします!

素敵な機会を与えて下さる病院関係者の皆さん、子どもたち、親御さん方、アシスタントの方々に毎度ながら感謝です。

アーテイストが喜びを感じながら活動してくれることへの感謝と共感し合える感動・・それを揺るぎないものにしてくれるのが子どもたちの笑顔。SHJを創った喜びに心が震えます。

ところで・・涙を浮かべていた男の子は、青い剣をしっかり握って処置室へ。涙も乾いていたようです。

Smiling Hospital Japan Official Website