アメリカ合衆国の進化生物学者でノンフィクション作家、ダイアモンド博士による特別授業12回”ヒトの秘密”をEテレで放送していました。
人間の不思議や人間が抱える問題について生物学者の観点で学生たちに問いかけ、解き明かしていくというもの。
学生たちの活発な意見にはびっくりさせられます。
たまたまテレビをつけて、面白くて見入ってしまったのはアートがテーマの今回。
ヒトは自分たちが作り出した芸術を、進化の象徴だと考える。だけど動物だってすごいアートを生み出すらしい。
人も動物も何を求めて芸術活動をするのか・・。
自然が大好きでよく「自然が織りなすアート」 などどブログで書いてるけど、
ちょっと待てよ、artの反意語はnatureだ。
博士、まずは学生に問う。
アートの定義ってなんだ?
美しい夕日はアート? 着ているものはアート?
博士は「アート」の意味は人が作った美的欲求を満たすもの、さらに生きていくための機能は持たない、と言っています。
つまり、服は防寒のためだからアートでないと。
だけど、衣食住の「衣」という観点ではそうかもしれないけど、いったん何かしらの工夫をしてデザインしたらそれはファッションでありアートになるとも言えるだろう。
夕日は人が作ったものでない自然のものだからアートではない。
鳥のさえずりは遺伝子に組み込まれたものだからアートではない。
それらに対して芸術家の名曲はその人が生み出したものだからアート。
さらにさらに、
動物もヒトに負けない見事な作品を作り出すということも伝えられていた。
例えとして番組で紹介されていたのは、名前は忘れたけどフグの一種のオスは海底に円形の芸術砂絵を作り、メスを引き寄せるのだそうだ。
動物のアートはオスからメスへのアピールってことか。
しかし、これももしかして子孫繁栄のために組み込まれた遺伝子のなせる技、としたらアートではなくなる。
う~ん・・。
動物のこのような行為がアートとすると動物のアートには計算がある。
けれど、ヒトの作り出すアートは、理屈も説明も計算も抜きの感性の世界から生み出されたもののような気がする。
だとすると、アートに関しては動物よりも人間の方が純粋ということになる。
アートが極めてプリミティブで純粋な感性から沸き起こる活動だとしたら、一番のアーティストはやっぱり子どもたち?!!
でもでもartの意味は芸術の他に、人文系の学科、人為、さらには策略なんて不本意な意味もあるではないか!
動物の行為(メスを引き寄せるという策略?!)が本当のアートなの?
本物の花はアートではなく造花がアート(artificial flower)なのか!ただしこのアーティフィシャルというのは芸術の、という意味ではない。模造のという意味。
ランダムハウス英和辞典には、a smile without art=自然な微笑 という例も出ている。
アートとは奥深い意味合いがあるんだな~、というところで止めておかないと、
夜も眠れなくなりそうだ。
大混乱!!