子どもが大切にされる平和な社会へ

新出生前診断 拡大見送りに安堵👶

命の選別につながるといった議論が絶えない

出生前診断。

産婦人科学会が実施できる施設を増やす指針を打ち立てたが

これが当面見送られることになった。

この診断の存在自体が

かつての優生保護法を彷彿とさせる。

そう思う私にとって

ホッとした、というのが正直なところ。

 →2018/2/8投稿「出生前診断」と「旧優生保護法への批判」の矛盾

出生前診断とは、

広義の意味では

妊娠の有無を調べることから

胎児の位置や環境、生育状況と健康度を診るためのもの。

そのうち

昨今議論を賑わせているのが

胎児の遺伝子検査。

胎児の遺伝子に異常が認められないか出生前に診断を行うものだ。

 母体血清マーカー検査が急速に広まった1990代では

遺伝子疾患の専門家の不足や

医療環境の体制が整っていなかったという理由で

その実施は積極的ではなかった。

しかし

医学の発達とともに、検査の精度が高まり

胎児異常を見つけるケースが増えたという。

母体を守るため、という目的であれば

その必要性は十分にある。

しかし、検査の目的を知りたくて調べてみても

「生まれてくる子どものことを知る」

「その後の生活への心構え」

などといった内容ばかり。

心構えを持たされるということは

覚悟させられ

情報の海に溺れ

産むことへの重大な決断を迫られ・・

その結果、

産むか産まないかの迷い

産まない選択をしたがゆえの悩み

次の妊娠はどうする?

といった苦悩を産む。

子を産み育てることへ

高いハードルを作ることになる。

子育ては知識でするものではない。

生まれてきた子どもを育て育てられるのが育児。

かたや

妊娠を告げられ無上の喜びに浸る間も無く

検査自体

受けるべきか

受けるのをやめようか

という選択を突きつけられ

相当悩む人のケースが

昨日のハートネットTV

で紹介されていた。

「幸せのはずの妊娠が

苦しくて悶々としています」

という生の声を聞き

なんのための診断なんだ!

と、釈然としない気持ちに拍車がかかる。

ある東京の高校で

出生前診断の疑似体験授業が行われた。

結果9割の生徒が受けることを選択したという。

海外ではどうだろう。

英国では全ての妊婦が受け、

米国ではとても積極的に行われているという。

*****

義母の体験談。

第2子を高齢出産する義母に医師は聞いた。

マーカー検査、どうしますか?

「受けません。自分の子どもですから」

母親の心根の強さを

医学の進歩が

情報という力で

潰して欲しくない、と思う。

ー 関連の投稿 ー

2018/2/8投稿「出生前診断」と「旧優生保護法への批判」の矛盾

2018/3/7投稿 ~新出生前診断、一般診療に!?