医療現場のスタッフの中でも
子どもに一番近くにいるのが病棟保育士です。
病棟保育士とは、
小児病棟に入院している0~18歳くらいの年齢の子どもたち対象の保育士で、
最近になってその必要性から徐々に各小児病棟に配置されるようになりました。
SHJが訪問している病院はどこの病棟にも保育士がいて、
活動参加可能な子どもたちの情報提供、
プレイルームの設定やベッドサイドへの案内、
子どもたちに声をかけてプレイルームに集めるなど、
活動のサポートをしてくれます。
病棟に子どもの生活の世話をする保育士がいることで、
医療者が医療に専念できるという意味でも
その存在はとても大きいのです。
しかし、一般的にはまだまだ
病棟保育士を置くケースは多くはないようです。
配置されたとしても1つの病棟に1人または2人シフト制。
看護師のフォローがあるとはいえ
一人で保育を任されている場合もあるという現状も聞きました。
いっぽう医療者同様、強いられる緊張感は大変大きなものです。
そんな背景から、
「孤高奮闘の毎日ですが、SHJの存在で助けられています」
と、ある保育士さんから、
SHJのプログラムが保育士の立場からも
役立ち期待されていることを伺いました。
活動によって、
保育士の負担が軽減される
変化の富んだアトラクションを入院生活に取り入れることができる
クラフトなどは日頃の保育のヒントとなる
生活のリズムを作ることができる
など実務の助けになっていると。
さらにある保育士さんが
「SHJさんの活動はとにかく楽しいんです!」
と興奮しながら伝えてくれたのは、
ストレス解消や気分転換になっていることと、
何より子ども目線で一緒に楽しみ、
活動の感想を話し合うという
コミュニケーションのツールにもなっているということ。
そして、普段保育を提供する立場から、
子どもたちと一緒に活動を提供され参加する立場になることで
リラックスして真に楽しみ
子ども理解も深まるとも。
だからシフト希望を出すときは必ずSHJの日、
だそうです。
一般的に医療現場では、
「保育士」という医療に関わらない立場での
立ち位置の難しさや医療者との間の距離は
当然あると思います。
そのようななか、
チーム医療の中で
職種を越えていかにうまく連携していくか、
は子どもたちをトータルに見たときにとても大切な要素です。
活動により子どもの笑顔が増え病棟が明るくなったために、
保育士さんに余裕が生まれました。
しかしそれ以上に保育士自身の内面に
変化が起こったことは大きな変革です。
緊張しながらの業務が当たり前だった勤務中に、
今までなかった「子どもたちとワクワク楽しむ時間」が生まれたことで、
自分の役割から一歩ひいて自分らしくいられるようになりました。
子どもたちに一番近いところにいる保育士にとって
このような心理的な変化がもたらされたことは、
医療現場そのものが
より子どもたち中心の
より人間味あふれるものに変わることに
大きく貢献していると実感します。
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