〜久々の活動アシスト2〜

年があけて新棟へお引越しした小児病棟。

活動の様子が見たくて、そして新年のご挨拶もしたくて

頼れるアシスタントにくっついて久しぶりにお邪魔しました。

今まで以上に広々としたプレイルームは窓いっぱいの開放感。

大人気のもみちゃんクレイアートを今年もたくさんの子どもたちが待っていてくれました。

保育士さんも一緒に楽しんでくれるからとても気持ち良く活動ができる東大病院小児病棟。

戌年にちなんで今回のお題は「犬」。

もみちゃん、幾つか見本を作ってきてくれました。

白い犬?

茶色い犬?

白と茶を混ぜてココア色の犬?

耳の色は?

とまずは色を決めて・・。

次に、もみちゃんの手の動きを見ながら粘土のこね方を覚えます。

ふわふわの粘土をこねこねするのが気持ちいい~。

形にしてシワを伸ばす方法も覚えて。

どんな形にもなるから創造力が爆発します。

もう一つ、また一つ、と作りたくなります。

どれ一つ同じものはない、これがアートのいいところ。

個性が光るなあ。ワクワクします。

ぐずっていた子も粘土ともみちゃんの柔らかさに、

ちょっとだけ笑顔が戻ったみたいです。

クレイクラフトアーティスト Tomomi Fujie Facebook

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 SHJヒストリー30 ~3年前の3行日記から~

活動を始めて2年後の2014年2月に叶った念願のウォールペイントのモチーフは、子どもたちが大好きな動物。

今でも何とはなしに・・気付くと触ってる・・そんな子どもを見かけます。

触ってる? そう、見るだけじゃなく触れるアートです。

毛並みや鼻の頭のツルツルした感じをペンキと筆で立体的に描き、見ても触っても楽しめる工夫がされています。さすがアーティスト!

その頃は病院ごとの担当アシスタントはおらず、松本が全ての活動をアシストしていました。

記録はアシストごとの3行日記。

事務所を整理していたら出てきた、出てきた手書きのメモ。

いくつか書き出します。

マラカスやシェーカー、太鼓などを子どもたちに配り、一斉に大きな音を出して演奏を楽しんだ。叩く、振る、それだけで笑顔になり、コミュニケーションが生まれたようだ。

好きな歌を競うようにリクエストして、めいっぱい大きな声を出して合唱する場面は大にぎわい。

版画ワークは木槌で力を込めて叩いて版を作る。ものすごい音だけど子どもたちは夢中。医療者の邪魔になっていないか気になったが、特に気にせず仕事に没頭している。ほっとした。

廃材を使ったクラフト。日常よく見る素材、知らなかったその不思議さにワクワクしている様子。

手作りワークショプ。いいの?というような目で保育士さんを見る。返ってきた笑顔にホッとして、思いっきり手を汚して創造力を爆発させている。

・・・

まだまだエピソードはありますが、次回綴ることにして。

これらはすべて病棟内プレイルームで行なう活動で、医療スタッフの理解なしでは実施不可能です。それどころか、こどもたちが楽しんでいるかぎり、子どもたちの様子をうれしそうに見守ってくれている。治療や処置をなるべく後回しにして、楽しい時間を優先する医療者の方々には感謝するばかりです。そこにはなんとなしに一体感や共感が存在しているようです。これまで積み重ねてきたことが、病院との信頼関係に繋がったことを実感します。気兼ねなく発散できる雰囲気は、閉鎖的な空間で生活するこどもたちにとって、思いっきり音を出し、創造力を駆り立て夢中になれる、貴重な時間です。

 「子どもたちとアーティストたちはすっかり打ち解けて、一緒にわいわい賑やか。その様子を温かく見守る医療スタッフがいる。騒音も待つことも平気。時には医師や看護師さんたちも仕事の手を休めて活動に参加」

これがいつもの風景となり、今に続いています。

みんなで作り出すアートの時間が各病院でかけがえのないものになりました。

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〜その先の支援〜

近年の医療の進歩には目をみはるものがあります。

誕生後、保育器の中で一生懸命にいのちをつなげ、頑張る赤ちゃんがいます。

その頑張りに医療が寄り添い、敬い、一緒に試練を乗り越える。

現場はかけがえのない命への畏敬の念が満ち溢れているのだろうと思います。

数週間、数ヶ月に及ぶ入院生活を経てお母さんの腕の中へ。

その後、お家には当分帰れずに一般病棟で過ごさなくてはならない子どももいます。

急性期を過ぎ、重い障がいを持った子は医療的ケア(痰の吸引や中心栄養静脈、人工呼吸器など)が手放せない場合が多く、退院後は自宅での家族によるケア、訪問医療・看護が始まります。

家族は24時間つきっきりのケアとなり、外出も十分な睡眠も確保できません。

そんな社会の変化に合わせ、子どもと家族を支える支援団体や子どもホスピスが各地で立ち上がっています。

ホスピスと聞けば、終末期を豊かに過ごす場所、という定義が一般的ですが、

実は重症心身障がい児や医療的ケアを手放せない子どもが一定期間宿泊し、その間家族が十分な休息を取り気分転換を図るという趣旨もあります。

宿泊中はボランティアなどにより様々なアトラクションが工夫され、子ども同士の交流もあるようです。

日頃の家族の苦労を思えば、利用者がホッとする時間を持てるようになり、その存在は今後も広がっていってほしいと願います。

医ケア児の存在認知も進み、重い障がいの子どもをめぐる社会は随分と抱擁力を増してきたように思います。

と、ここでふと思います。

その先の支援は?

「子どもたち自身が生きる喜びを得ること」に対してはどれほど注視されているのかな、と。

社会の取り組みが、子どもたちへの哀れみや同情に向かうのは誤りです。

彼らだからこその自分の世界の広げ方があり、どう寄り添えばそれが実現できるか模索し工夫していくのが正解と考えます。

生きることは学ぶこと

自ら自分の世界を広げ学び発信する子どもの喜び。

そしてその様子に、ご家族は我が子の可能性を知り誇りを持ち、「この子を育てていてよかった」と豊かな気持ちになることでしょう。

子ども一人ひとりの自尊心や人格に寄り添っていくこと。

これこそが障がいの重い子どもたちへの支援ではないでしょうか。

スマイリングは「その先の支援」を実践していきます。

手話フォンが羽田空港に!

先週、帰省中の息子を留学先の久米島へ送りに羽田空港へ。

そこで見つけたものは、国内初の「手話フォン」。

これは日本財団が国際障害者デーの12月3日に、羽田空港国内線第1・2旅客ターミナル 出発ロビーに設置したもの。国内初となる聴覚障害者向けの手話対応型公衆電話ボックスです。

財団は2013年9月から聴覚障害者向けの電話リレーサービスを提供していて、利用者はスマートフォンやタブレット、パソコンを使ってオペレーターと手話で会話し、電話を利用できます。利用者が電話ボックス内のモニター画面から、手話でオペレーターに伝えたい内容を伝達。オペレーターが相手側と話し、内容を伝える仕組みだそうです。

これまで聴覚障害者は、手話のできる知人に依頼して、電話をかけてもらう必要がありました。また、メールでは数日かかったやりとりが、数分で済み直接スムーズに会話ができると期待が高まっています。

世界20カ国以上で同様の「電話リレーサービス」が無料提供されていて、たくさんの人が利用する公共施設では情報コミュニケーションのバリアフリーの一つとして利用されています。日本では今月4日に、つくば市にある視覚、聴覚の障害者向けの国立大、筑波技術大に2機目が設置されました。

国内ではコミュニケーションのバリアフリーは、まだまだ遅れていますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、今後、全国の主要空港にも設置する計画があるそうです。

今後の普及に期待が高まります。

問い合わせ先:日本財団 コミュニケーション部 

03-6229-5131

pr@ps.nippon-foundation.or.jp

 

〜広がれ!ヘルプマーク〜

見た目で判断されにくい困難を持つ人にとって、理解されず理不尽な思いをすることが多いとよく聞きます。

内部障害のあるSHJスタッフの体験談をひとつ。

高校生のときのこと。エレベーター使用許可が出ていたにもかかわらず、教頭先生に、

「お前、足悪くないのに エレベーター使うな!!どこが悪いか言ってみろ!」と、大勢の生徒の前で怒鳴られた、という。

また、電車の優先席に座ると、お年寄りから、

「若いのによくそんなところに座るな」

と言われたある女性の話も聞いた。

そもそも、誰だって体調の悪いときはあるだろう。若くたって歩き疲れることもある。

仮に一目散に空席に飛んでいく若者がいたとしても、何か事情があるに違いない。もしパッと見て何の問題もなく、座ってスマホをいじりだしたなら、何て周りを見ない自己中心的な人だろう、と呆れるまでだ。でもその人に抱える困難がないとも言い切れる?

何でも見た目で判断する人間の悪い癖。

そこで考案されたのがヘルプマーク。

義足などを使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人がいます。

周囲に配慮を必要としていることを知らせて援助を得やすくなるように作成したマークです。

裏にはメッセージが書けるようになっていて、どのようなことに困っているのか、またはどんな援助が必要か書けるようになっています。

東京都が2012年に導入し、好評が好評を呼び、今では全国に普及しています。

助け合いのしるし ヘルプマーク 東京都福祉保健局HP

いっぽう、ともにShare with FIAT コラボレーション団体の一つ、NPO ピープルデザイン研究所 は、コミュニケーションチャームと言って、お手伝いする人もされる人もハッピーになる意思表明ツールを作って店舗で、通信で販売しています。

言葉が通じなくても指差しで、対話できる様、困った時に良く使うという6つをアイコン化し、デザインしたコミュニケーションカードです。

こんな取り組み、想像力と思いやりでどんどんひろがるといいなあ。

そして誰もが謙虚な気持ちで他を排除することのない、寛容な社会になったらどんなに素敵でしょう。