SHJヒストリー15 病棟でおしゃれ!~

病気や治療の副作用で髪が抜けることがあります。甲状腺の病気や糖尿病などが原因だったり、治療の副作用としてはがんや肝炎など。多くの場合、原因となっている病気や治療が終われば、個人差もありますが、半年から1年で再び髪も元通りになるようです。

しかし、女性の場合はその間、人に会いたくなくなるほど辛いものです。女の子だって小さい頃からおしゃれしたいもの。髪が抜けてしまったらどれほど落胆するでしょうか。

先日テレビの特集で、高校生が社会貢献の部活を立ち上げ、抗がん剤による治療中の子どもむけに髪を寄付しているというのを知りました。かつら業者に無償で持ち込み、抜け毛で困っている患者さんのためのウィグにしてもらうためです。規定の長さまで我慢して伸ばし、バッサリ! 女子だけでなく男子も趣旨に賛同して参加しているそうです。

人の痛みに思いを巡らすことのできる若者の存在が嬉しい。この高校生がどんな経緯でこの部活を立ち上げたかは見逃してしまいましたが、若い人が自ら人権意識に目覚めるストーリーは爽やかな気持ちにさせてくれます。

勤務していた病院では、医療用ウィッグの業者が出入りし、かつらの注文を取っていたのを度々目にしました。治療中の女の子とお母さん、ウキウキ楽しそうに髪型を選んでいる風景にホッとしたものです。

そんな中、お母さんもひと工夫。ニット帽に毛糸で三つ編みをあしらったとても可愛いウィグ付き帽子を作って我が子に被らせていました。このアイデアはお母さんたちの心を躍らせました。希望する子に注文を取ってせっせと作るお母さん、そして楽しみに待つ子どもとお母さん。病棟に当事者同士の思いやりのコミュニティが出来上がっていく様子、お母さんたちの力強さ、愛情の深さを感じたこと、強く印象に残っています。

おしゃれもアート。主体性エンターテイメント。素敵なもの、綺麗なもの、楽しいものは憧れを生み、人と人をつなぎます。楽しい会話も生まれ元気にしてくれます。

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スマイリングホスピタルジャパンも、子どもたち、お母さんたち向けのネイルアートやヘアメイクを提案中。衛生面や薬剤使用によるリスクが邪魔をして病院から許可を頂けないでいますが、今ではオーガニックで代用できます。

そろそろもう一度提案してみましょうか・・。病院はもっともっと変わるはず。

 

Smiling Hospital Japan Official Website

〜子どもの宇宙〜

一人ひとりの子どもの中に無限の広がりを持つ宇宙がある

心理学者 河合隼雄氏(1928-2007)の言葉です。

子どもだけでなく、すべての人には宇宙があり、その宇宙が交わったり、互いにとどまったりすることで価値観を共有し、共感をもとに創造的な人間関係が生まれる、と常々思っているので氏の言葉には深く共感します。

特に、無限の広がり、すなわち無限の可能性を持った子どもたちは、大人とは比べられないほどの広大な宇宙を持っているということでしょう。

河合隼雄氏は著書『子どもの宇宙』(1987)で、児童文学の名作を通して「子どもの宇宙」について述べています。子育て中に見つけてそれ以来愛読書となっていますが、偶然にも長女が生まれた年に氏が執筆したものとわかり、ますます愛着のわく一冊となりました。

『子どもの宇宙』の中で子どもと大人の関係、ひいては子どもが実は大人をどう見ているかを直球で著している箇所を抜粋します。

子どもたちの澄んだ目は、この宇宙を見据えて、日々新たな発見をしている。しかし、残念なことに、子ども達はその宇宙の発見について、大人たちにはあまり話してくれない。うっかりそのようなことをすると、無理解な大人たちが、自分たちの宇宙を破壊しにかかることを、彼らが何となく感じているからだろう。

大人になる、ということは、子どものときに持っていた素晴らし宇宙の存在を忘れることではないか

子どもの宇宙の存在について、我々が知ろうと努力するときは、自分自身の宇宙について忘れていたことを思い出したり、新しい発見をしたりすることにもなる。子どもの宇宙への探索は、おのずから自己の世界への探索につながってくる。

教員の頃、そしてスマイリングホスピタルジャパンを立ち上げ活動してく中で、多くの子どもたちと出会い、関わっていくうち、自然と幼い頃の原風景に思いを馳せること、大自然に浸ることが多くなりました。

自然の中でその営みに神秘を感じたり、子どもみたいにはしゃいだり。これはまさしく、河合氏の言う「子どもの宇宙への探索、自己の世界への探索」なのでしょう。

年をとると子どもに戻る、と言いますが、これは単に涙もろくなる、また自己中心的になる「退行」を意味するだけでなく、大いなる自然に対して素直になり、そして子どもの頃の宇宙に遊びに行き、自分を取り戻すという意味もあるような気がします。

参考文献:『子どもの宇宙』河合隼雄

 〜副籍制度、機能してる?〜

都立特別支援学校には副籍制度というのがあります。

「都立特別支援学校の小・中学部に在籍する児童・生徒が、居住する地域の区市町村立小・中学校(地域指定校)に副次的な籍(副籍)をもち、直接的な交流や間接的な交流を通じて、居住する地域とのつながりの維持・継続を図る制度(東京都教育委員会)」

入院して特別支援学校院内学級に入るためには基本的に学籍を異動する必要があります。そして元いた学校とは、退院して戻った時のために学校(担任)が窓口となって折にふれ連絡を取ります。

遠方から入院する場合は、学級通信や日記の交換などを通した交流が一般的で、特に学籍に関わる手続きは必要ありません。しかし、居住地が比較的病院から近かったり入院期間が長かったりなどの理由で、副籍制度を利用し、前籍校に副籍をおいて通信の交換などの間接交流に加え行事や授業に参加する直接交流を希望する生徒もいます。

これは私が教員だったころの話なので6年ほど前までのシステム(確か平成19年施行)で、施行当時は手続きに3ヶ月かかっていました。実施も慣らし運転の状態だったけど、手続きにかかる時間含め、その後どうなったかな、と調べようとしましたが、調べきれずすっきりしません。あのころ疑問に思っていたことがそのまま迷宮入り。

共生地域の実現とかインクルージブ教育などの理念、期待される効果などが書かれた東京都教育委員会発行の副籍ガイドブックと古い実態調査が見つかっただけ。

今もこの制度は確かに存在しているようですが、ひょっとしてあのころあまり活用されていなかったから少なくとも院内学級では形骸化しているのかもしれません。

交流活動に向けて、双方で打ち合わせし、特に受け入れる側は事前の準備を万端整えているものとして副籍校へ。しかし、特別な感想もなく帰ってきたTくんを思い出します。

一回交流すれば「インクルージブ教育やってます!」になってしまうのかな。

ほんの数回で終わってしまう理由・・現場に違いを認め合う土壌がないから。

事前に副籍校で出前授業等して、障がいや病気について話し、障がいや病気のある子どもの理解を図る、それが副籍校に送り出す側の務めであり、そしてそれを積み重ねて本当の交流ができるのだろう。

副籍校としては、退院後復学に向けた子どもの学校への適応のために必要なはずだが、緊急時の対応 や発熱時、けが、感染症発生時の対応など、健康上の問題ばかりに気を取られる場合が多いという実態もある。

実態に即した本物のインクルーシブ教育を実現するためには、知育偏重から全人教育への変換、現場の意識改革が前提なのではないでしょうか。

〜アートないち日 自然が織りなすアート〜

ここほ大好きな場所、上高地。

自然が織りなすアートであふれてる。

そして人々に絵心を掻き立てるのも自然の為せるアートなはからい。

そして小さな秋み~つけた!

思い思いに張られたテント。一期一会の出会いが一瞬のアートを作り上げてるような神秘を感じました。

〜アートないち日 ライブペインティング〜

SHJ登録アーティスト、イラストレーター真鍋麻里さんのライブペインティングは新日本橋のegoというギャラリーバーで。店内は油絵や版画を中心としたアートが壁一面にディスプレイされています。お酒を飲みながら芸術鑑賞。ああでもない、こうでもないとアート談義に花が咲くおしゃれなスペース。オーナー自らアーティストで、数年前ロスから来日し、東京が気に入って住み着いたそう。

麻里さんはポップなイラストが人気で、一言で塗り絵と言っても、老若男女全てに対応したモチーフが魅力。

小さな子には塗り絵のリクエスト。お花、乗り物などお題を受けると、すぐさまさらさらと可愛い塗り絵ができます。好きな色で塗るから麻里さんと二人のオリジナルアート。イラストを台紙にした貼り絵は、布やリボンなどいろんな素材を楽しめることもあってこちらも人気の的。

ティーンズや大人向きのイラストは細かく美しいだけではなく、塗り進めていくと実は何かが隠れていて、見つけた時のサプライズが嬉しい趣向を凝らしたものも!

神奈川子ども医療基金の助成を受けて、神奈川県立こども医療センター廊下の真っ白い壁に壁画をしたこともありました。病院の壁はとにかく白い!麻里さんのポップアートで花を添え、もっともっと患者さんの笑顔につなげられたらと思います。

広がれ!病院の壁画アート。

さて、真っ白な階段にペイントする、と聞いてビール片手に楽しみにしていると、麻里さんファンが続々と来店。当の壁画は遅々として進まず・・。聞けば23時すぎまで描いて未完成。これからも少しずつ描き足していくのだそう。

帰る頃にはお店は大にぎわい。後ろ髪を引かれながら帰路につきました。

 

                                                        Mari Manabe Official Website

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